「Sense」

通勤途中

車の中で日課のCDを聞いていた

AMAGのLBRP

道は右に緩いカーブ

東の空から上ってきた太陽に照らされた

見慣れた田園風景

目の前に光が射し込んだ瞬間

感覚が変化した

車は同じ速度で走っているのに

とても遅くなった気がした

周りにある全てのものを

細部に至るまで感じているような

小さなものまで何がどうなっているのか

自分のことのように把握しているような

意識が全方向に広がっていくような感覚

世界 が 自分自身 になる…


「危ないよ 元に戻して」


耳元で「彼」の声がして

ハッ…と我に返った

ずっとその感覚に埋没していたい

その欲求を振り払う

時間にして数秒のことなんだろうけど

あれは一体何だったんだろう…

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