スリージャックス 六感

@nakamichiko

第1話    序


 宇宙で最も強固な建物の中の、立派な部屋の中での会話である。


「総司令、本気なのですか? 冗談でしょう? 」


「冗談? この場で、この期に及んで冗談など言ってどうする? 彼らが、特殊空間航路のパイロットがいなければ、宇宙は死ぬことになる。真っ先に人間からな」


「一万年前のように、ボウに要請を」


「だめだ、ボウの海も荒れている。それこそ彼らは今、ボウの海と戦って、それを乗り越えてくれれば、何かこちらに光が見えようものだ。我々は我々で」


「しかし、パイロット訓練校の面接に占いを・・・・・」


「時々・・・当たるじゃないか!パイロット特性、成績だけではもう限界なのだろう? 航行大臣。私とて怪力乱神は語りたくもない、その信念でやってきた。長期にわたってどうこうするつもりもない、全てを決めるわけじゃない。要は多少、その・・・頭はよくなくてもいいから・・・・可能性の問題だ、生き残れそうな者に訓練をさせるんだ。もう、なりふりをかまっている事態じゃない、上手くいくかどうかも。手探りででも必死にやらなければ、今は。責任は私が取る、とにかく今回だけでもやってみてくれ」


             


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