ビギニング・ムーン

Kohr.435円

第1話 ウサギと妖精

1966年 自然豊かな街・シャンパーカーン


戦争が終結


平和な日々が戻った。


この街にはいろんな伝承がある。ヴィーヴル、アララー、ホムンクルス、ロキ、ピクシー、イースター・バニー。

いろんな伝説はあるが、特にイースター・バニーは月に多く生息するウサギだ。このウサギの特徴は、有名な餅つきの画。この伝説はイースター・バニーが月で餅つきをしているところをみんは見ている。

このフランス・シャンパーカーンでは、満月になると、イースター・バニーたちは担当二人を決め、餅つきをし始める。

クリスマスが終わり、もうすぐお正月。

お正月には初日の出という、大きな催しがある。

初日の出の日は特殊なため、二人ではなく、イースター・バニー全員があつまり、一斉に餅つきをし始める。

その初日の出まであと、一週間。


ある日、一匹の幼いオスのイースター・バニーが考えた。仲の良い友達や知り合いを集め、一緒餅つきをしたいと。毎年同じ風景より、少し違う風景、雰囲気にしたいと考えた。

そのイースター・バニーは、この提案を自分の家族に話すと、その提案を承諾した。

イースター・バニーたちは、知り合いに声をかけた。

ヴィーヴル、アララー、ホムンクルス、そして、ピクシー。

だが、一つ問題がある。ピクシーを誘いたいのだが、昔からピクシーとイースター・バニーとは、仲が悪く、険悪だ。

少し、勇気がいるが、悪い人たちではない。

提案者のオスイースター・バニーのボップはピクシーを誘うことにした。

ボップはピクシーが住む森・エルダーの森に行くことにした。

イースター・バニーは凄く優しく、寂しがり屋でおとなしい性格。滅多に人を傷つけることはしない。

昔、何千年前までは、イースター・バニーとピクシーは、仲はとても良かったと聞く。ここ百年位で険悪し始めたようだ。

ボップには、なぜそこまで仲が悪いのか分からなかった。

そこで、出発する前におばあちゃんにピクシーについて詳しく聴いた。

この話にはロキという種族が絡んでいることが分かった。

聞く限りでは、イースター・バニーとピクシーはどちらも、悪いことをしたわけではない。イースターバニーがピクシーをいじめたわけでもピクシーがイースター・バニーを貶めたわけではない。つまりこのロキという人たちが二つの種族を戦争発展にまでさせて、何百年も険悪させた張本人。もちろん古い話なので、この話を知らない人もいる。ロキは仲が良い僕たちを妬んでいたようだ。いまは零戦状態。

また、いつ戦争が勃発するのかもわからない。

おばあちゃんはボップに喋りかけた。

「 ボップや、やりたいならとことんやりなさい。この世に無駄な事はなにもない。当日を楽しみにしてるよ 」

優しい口調で話した。

ボップはこの話を胸にしまい、エルダーの森に出発した。

この森まではそんなに遠くはないが、途中で急な険しい谷が森の境目になっている。その森は昔から怪物と呼ばれる。又の名を終焉の怪物・ファイナル・モンスターとも呼ぶ。

正直、みんなはピクシーを呼ぼうとは思わない。

好きじゃないから。でもみんなは分かってくれる。昔は仲良かったから。もう一度一緒に仲良く、静かに暮らしたいと思っているはず。

でも、聞くところピクシーの事が嫌いじゃない人たちだっている。

だが、どうやって誘おうか? 断られるんじゃないか? 不吉な出来事が起きるのかもしれない。イースターバニーの心も分かるし、ピクシーことも本当は嫌いじゃない。だからピクシーの心もわかる。元は二つに一つの存在のような感じだったから。

そんな不安を抱え、ボップはエルダーの森を目指した。

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