広場


死んだ目をした少年が

広場に立ち尽くしていた

きっとお母さんはいないのだろう

ぎゅっと握り締めた風船は灰色で

中に小動物でも仕込まれているかのよう

不気味に小刻みに揺れた

風も無いのにね

まっ

わたしには関係の無いことだけれど

わたしの持っているソフトクリームには

いろいろな色のチップがたくさん散りばめられていて

しかもそれはうまい

文句なし

空では太陽が輝いちゃってるし

地球上で皮膚癌を促進させるために頑張ってる

そのようなことを

わたしは広場にいたその少年に言ってみた

少年はこちらを見た

「ぼくには自殺の仕方を選ぶ自由がある」

わたしは持っていたソフトクリームを少年の顔面へ押し付けた

「間接キスしろよ」

「なあにそれ?」

わたしたちのいる広場の真ん中には

噴水が設置されていて

誰が制御しているのかは知らないが不規則に出たり出なかったりしていた

それを眺めているだけで人生が終わりそうだなとわたしは思った


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