パンが喋った


パンが喋った

「ぼくパンだよ」

って

わたしは頷いた

「きみパンだね」

って

なんにも間違ってることなんて無い世界

肺呼吸するわたし

わたしは肺呼吸の名人だった

空き缶が尊敬の眼差しでこちらを眺めている

「尊敬してもいいよ」

でも空き缶は何も言わない


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