わたしは多分


わたしは多分、狂っている

断言、出来ないということは

その確率は若干、上がる

わたしは多分、狂っている

自分自身が行方不明になる

名も無い公園で透明な人形と遊んでいる

それを友人だと思い込んでいる

みんなが遠ざかっていくのを感じている

わたしは狂い始める

アイスクリームを手にしてそれが瞬く間に溶けてしまう

わたしの中の正三角形が歪み出す

それを好ましいと思ってしまう

運命はわたしを乗せて容赦無く進む

誘拐しておいてある日、見知らぬ街の一角で突然、下ろす

ここは何処?

わたしは無言で歩き出す

水槽に浮かんだ魚が笑う

ぱくぱくと口を開く

「扉が開いたら扉が開いたら扉がもし開いたらねえ扉がねえ扉が?」

かなり頑張った方だと思う

わたしは多分、狂っている

わたしは間違いなく狂っている

かなり笑っている

この世界の被害者はお前だ


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