いちご味

雨矢健太郎

空中散歩


わたしは

ふわりと

飛べました

ある日

何気なく空を眺めていたら

「うわうわ」

って

急に足元が軽くなって

転倒してしまうかもと思い

「やば……何これ」

そう呟いた次の瞬間

わたしはもう浮かんでいました

さっきまで足元にあった花が

今はとても遠い

心配性のわたし

落ちないためには一体どうすれば良いのでしょう?

どうやって飛んだのかもわからないのに

それを持続させる方法なんて知るわけもありません

なんだか不安定な空の上で

地面に靴底をくっ付けていたあの頃が懐かしいです


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る