第79話~究極のスピード!!~
会場の入り口に剣を待ち受けていたのは、今まで平面だったフィールドとは違ったピラミッド状の壁と長い階段であった。
剣は階段の一段目に右足をかける。
「――うおっ!?」
エスカレーターである階段はやや遅めに自動でかけ上がった。7メートルはあるであろう高さに待ち受けていたのは……
巨大なフィールドと――ブラックヘロンのエース、
頂上に二人が立ち並んだ瞬間、魂の実況アナウンサー
『ゲームワールドオンライン壊滅の危機迫るなか、G-1グランプリ予選は過去見ない凄まじい修羅場を迎えてしまいました!そしてその会場には烏田、そして桐山の2名が臨戦体制に入っております!!
この約7メートルもある頂上、強者のバミューダトライアングルに最後のゲームが待っています!!!
FINAL《ファイナル》 STAGE《ステージ》、ラストを飾るのは――究極のスピード!!その名も【アルティメット・スピード】ッッ!!!!!』
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PLAY GAME No.18
★G-1グランプリ予選 FINAL《ファイナル》 STAGE《ステージ》★
【ULTIMATE SPEED ―アルティメット・スピード―】
・ジャンル『カードゲーム』
・プレイヤーレベル:45
ルール
第2話に登場したトランプゲーム、『スピード』をよりエキサイティングにバージョンアップさせた【究極のスピード】。
※スピードのルール事態知らない人は今からでも遅くないので第7話で見直してね!
今回のアルティメット・スピードでの主なルールとしては、
①互いの山札は100枚ずつでのスタート。
ナンバーカード、1~13の5セット(65枚)と戦況を大きく左右する『トランプカード』35枚で構築される。先に出す場札は7枚。
②2つのカードを捨てる台札の間にトランプカード専用の台札があり、そこでのみトランプカードを出せる。
発動後10秒間は続けて出すことが出来ない。(ただし相手が上乗せして書き消す事は可能)
③ルールをも覆す『トランプカード』の使い方次第で勝敗を決する。トランプカードを含めた100枚の山札、場札を全て出したプレイヤーが勝利となる。
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(ここに来てカードで勝負か……上等じゃねぇか――!!)
剣は得意なゲームにニヤリと笑みを浮かべた。
だがそれを烏田は余韻を残させはしなかった。
「……お前の為に最後のゲームを残してやったんだ!ゲームワールドを滅ぼす前に中途半端は後味悪いからな。
やるからにはお前が死ぬまで徹底的に始末してやる!!」
ただならぬ殺気を見せる烏田に普段の冷静さは全く感じない。PASが暴走している証拠だ。
だが剣はそれでも笑みは消さなかった。
「貴様!この期に及んでまだ笑ってられるか!!」
「あぁ……笑えるね」
「はぁ!?」
「仲間にありったけの勇気をくれたんだ。お前みたいにPASが使えなくてもいい、俺は俺のゲームとして楽しませてもらうぜ。
――全身全霊で!!お前に勝つ!!!」
「ッ……お前の……そういうヒーロー面が頭に来るんだよッッ!!!!!」
烏田の右手から灰色のとてつもないオーラを放った!暴走した強烈なPASの発動だ!!
フィールドの中央に巨大な山札100枚と場札が7枚、15平方メートルのフィールドに立体ホログラムとして広がった!
(何だろうなこの感じ、世界が滅ぶかもしれない修羅場なのに……魂が踊る!あの時のように!!)
剣の脳裏に浮かぶ
あれから剣はみのりと共に様々なゲームに挑み、仲間を作り、ライバルと戦ってきた。
その道筋が廻り合い、究極のスピードとして再びバトルに挑もうとしている!
この勝負は剣にとって――過去への離別、そして未来の架け橋となるかファイナルステージ!!
「――さぁ来い烏田!!相手になるぜッ……!!!!!」
剣は大きく右手を広げ、山札に向けて構えた!
「……調子に乗るなクソガキがァァァ!!!!」
フィールド中央に台札のカードが乗る!ナンバーカード、1と13!!
『アルティメットスピード、スタートッッ!!!!!』
新垣のコールで一気に会場は戦場と化した!!開始から10秒、凄まじい速さで両者はナンバーカードを台札に捨て一気に山札を減らしていく!!!
「――――ぐっ!!?」
どうした!?剣の動きが急に止まった!
おっと切り札『トランプカード』の台札に烏田のカードが!!
これは『ストップ』だ!!相手は3秒間行動が出来ない!!
ここで剣、大幅なタイムロスとなった。ストップの効果が切れて即座に進める!
「あれが『トランプカード』の力か……じゃこれでどうだ!?」
剣もすかさずトランプカードを出した!これは……『トラッシュ』!!自分の山札の上のカード10枚をそのまま場札へ落としていく!!
これで追い返したぞ剣!!このまま――
――ドカァァァァァァン!!!
「!!?」
おおっと何だこの音は!?爆発は台札の所だ、先程まで山のようにあった台札が跡形もなく消えている!!
そこに烏田、隙をついて連続でカードを消費させていった!!
「あのPAS、あんな事も出来るのかよ!?」
剣は驚きながらも負けじと手札を消化させていった。
そして剣の手札にやっときたトランプカード!!烏田の動きも止まっている!!
「よし、これで――」
ドカンッッ!!!
「わぁッ!!?」
剣が出そうとしたトランプカードの手先が何故か爆発し、カードはそのまま発動せず台札に行ってしまった。
「させねぇよ。お前のチャンスなど俺が粉々にしてくれる――!!!」
烏田のPASが剣の手先を伝わり爆発をさせていた。これで両者手詰まり、次の台札が降りるまでのブレイクとなった。
「まだまだ……俺の切り札は諦めるまで分からねぇぞ――!!!」
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