グローズ・ファイア 導き
ハイド博士
導入部
グローズ・ファイア もう一つのグローズ・ファィア
・・・現実社会とのリンクする筋書き・・・
互いに異なる三つの世界、そして、その世界観とキャラクターの作り上げていく世界観・・・いや彼らが「生きる」その場所に大地がありそこで育まれていくものこそが“世界”そのものなのだ。
だが、世の中は残酷だ。ただ生を謳歌したいと思っているだけなのに簡単にはそうはさせない。その世界を形作っているのは幸福なことばかりではない。むしろ残酷な「人の悪意」が暗黒の宇宙の様にとぐろを巻きその幸せそうな世界の裏側、すぐ下にはある。
「大いなる災い」は我々人間の手によって引き起こされた・・・・いや、それをしようとしている。もうしたのかも知れないがそれに気付く人間すらいない・・・そちらの方が大半だが過去の過ちから学ぶことができるのもまた人間のみ可能な能力だ。
その一人に「キャンデ・ドファンス」がいる。ドファンス家の次女で「選ばれし者」の存在をいち早く知って彼が中性の世界「レパント」へやって来る準備を兼ねてから進めていた。
キルド王国、中央部から東より・・・「マードック」川の東の街「サガートベルト」の街よりさらに東。大都市としては最もゴルド王国よりの街「バルドア」の街。そこには領主「マシュード・バガロウド公爵」とその父「リディク・バガロウド卿」が一帯を治めている。しかし、彼らの強権的な政治、いやもはや単なる弾圧と搾取でしかない。如何なる不正も認めないキルド王国はこの親子を捕らえようとするが王国幹部の内部にも「親バガロウド派」があり国王ですら直接討伐隊を送ることは出来なかった。もとから彼らの巧妙な方法でなかなかシッポを見せない状態では国王とて勅令を出しようがなかった。
バガロウド親子の処分はあやふやなまま、すでに七年が過ぎようとしていた。もともとマシュード公の父リディク卿は元の国王よりも王国内を我が物としていた。そんな実権を握っていたバガロウド家の力を完全に払拭出来ず未だに「バルドア地方」を領地としているという国家の姿勢に彼らはのさばり続けている。とは云え彼らは幹部とのパイプがあるだけではなく私兵を雇い非情なまでに搾取を続けようとしていた。そのときやって来たのが主人公たちに他ならなかった。
ハンターたちには特権が与えられ「国家の意思に応じる事なく単独で活動する事」が世界政府から認められていた。また、それをも超える特権を持った「憲兵隊」と呼べるべき者たちがいた。彼らと主人公たちの意思は合致した。兵僧化した結社・・・・彼らは王国がもとより世界政府公認の組織で「内部での事故処理」が彼らの使命だった。「レボック」と呼ばれる秘密結社の実行部隊わずかに三人・・・だが、その三人はただの荒くれ者達ではない。キルド王国直属カイバス近衛隊の三隊長なのだ。
「ガイバス近衛隊」と言えば「エロア近衛隊」や「バッカス近衛隊」が表ならば決して知られることのない陰の王国の“守兵”であり通常の一個連隊が五個小隊編成(近衛隊の通常編成)ではなくわずか二個小隊・・・しかも定員は足りていないが強者ばかりだ。
元々、“王都守備隊”と“王家近衛兵”との間にあった「三大守兵」であったが王家の権力拡大を恐れたキルド王国元老院は国家の意思というよりも「国民」からの強い世論におされる形で「第21代目」の王が即位した年にガイバス近衛隊はキルドの正規軍ではなくなった。しかし、隠密裏に幹部と国王が直轄する「小規模」の部隊が再編成されていた。
この隊の趣旨は悪意を持ったものではなく他の二つの近衛兵部隊をけん制するため、そう「最後の切り札」を国王は自分自身のためよりも国家が混迷し内乱を誘発するのだけは避けたかったのだろう。先の戦いでは多くの戦果を上げた近衛兵隊を解隊するという事は一部の王国権力者と国民からは“望まれて”いなかった。それは国家に多大な貢献をした優秀な部隊をなくすというのはこの国にとって大きな痛手だった。だからこそ秘密結社としてでも残す道が考えられた。しかもこの決断は後の“歴史な英断”として大きくプラスの効果をもたらす事になるとは当時の国王も思いもしなかっただろう。
キルド王国と共に建国した「独立三国」ゴルド王国、バースド・ベルベース王国はアーク暦3047年に同時に誕生。その後、幾度となく戦乱が三国を襲ったが「鉄の決意」は切れることなく同盟関係は今も続いている㈂その決意の表れ象徴こㅝが「誓いの火」でうる。バースド・ベルベース王国を建国した「コーラフ・トラバス・カーチス」が建国時以前、前線を指揮いていたときに持っていた松明の炎!!・・・・・だが、その火は戦牫の炎でもある。しかし、多くの民衆から「人民の自由と誇りの証」そして何よりも「平和への誓い」が込められている。それはカーチス本人も建国宣言時のスピーチで言っている。
“「私はこの平和の地に居られる事がまるで奇跡のようだ。
多くの戦火をよくもくぐり抜けられた。そして、この場にいられるのは
私が望んだからではない。ここに集った皆が望んだからに他ならない。
そう自らの正義のために・・・・いや、全ての人民が弾圧と圧政を拒否し
生きることと自由を強く願ったからに他ならない。私は切に思う。
昔あった国がどうであれ皆が願ったのはこのただ普通の平穏・・・
つまり、平和・・・この勝ち得た安息の時を忘れてはならない。そして
その戦いを忘れてはならない。全てはこの時にために費やしたものだ。
そして、決して今日と言う日を忘れてはならない。
なぜならばそれを忘れる事はこの平和を失うことと同じだからだ!」”
という有名な独立建国宣言の言葉にも表れている。そして、その初代国王の掲げていた松明の炎はモニュメントとして掲げられた。その独立戦争最後にして最大の戦場、
「トーチル・ベース」の丘(なだらかな丘)の上に作られた碑・・・後に立派な塔になったが遥かなる時が流れてもその誓いは一遍も色褪せる事は無い。いや、それはさらに色を濃くしその火の光はより多くの者の祈りと願いに満ちている。
グローズ・ファイア 導き ハイド博士 @mazuki64
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます