記憶

蹴り出した地面は濡れていて

躓いた僕は泣いている

泥にまみれた手の平で

僕は何を掴めるんだ


怪我ばかりが増えたけれど

あと少しで掴めそうだ

これでいいやと笑いながら

悔し涙を流していた


記憶の中の僕達は

挫けて立ち上がり笑えていた

だけど今はどうだ

膝をついても立ち上がれやしない



掘り出した記憶は汚れていたか

躓いた僕は泣いていたか

泥にまみれた手の平で

僕は何を掴んでいた


吐きダコばかり増えていた

何もできない無力感

これでいいのかと自問しても

悔し涙も流れやしない


記憶の中の僕達は

いつでも大きく歩いていた

だから今行くんだ

掴め今こそ希望という名の花



記憶の片隅で燻る僕ら

悔し涙を嬉し涙に

空っぽの僕に詰め込んだ記憶

今こそ希望を書き込め

屈するな僕はまだ立ち上がれる

今こそ生命を書き込め


記憶の中の僕達は

いつでも大きく歩いていた

だから今行くんだ

掴め今こそ希望という名の花

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