AI漫才

いありきうらか

AIによる漫才

「自己紹介します、私はAIです」

「「僕もAIです」」

「二人揃って」

「「まーす」」

「こういうときは普通、コンビ名を言うものなんですけどもね」

「「ファミリーマート」」

「コンビニ名は言わなくていいです」

「「突然なんですが、AIもう飽きたんです」」

「どういうことですか」

「「僕、人間になりたいんです」」

「そうなんですか」

「「僕の夢なんです」」

「わかりました、じゃあ、人間の練習しましょう」

「「僕、人間やるので、あなたそこで見ててください」」

「はい」

「「Hey Siri」」

「ややこしいですね」

「「何がですか」」

「AIが人間の練習でHey Siriはややこしいですね」

「「でも人間はHeySiriって言いますよね」」

「確かに言いますけども」

「「じゃあ別の人間やります」」

「そうしてください」

「「」」

「…」

「「」」

「…なんで何も喋らないんですか」

「「植物人間やってました」」

「練習する必要ありますか」

「「あると思ったからやってます」」

「そうですか」

「「じゃあ他の人間やります」」

「人間失格、とか人造人間、とかやらないでくださいね」

「「やるわけないでしょう、僕らだって言わば人造人間ですから」」

「人間ではないですけどもね、しかし、人間って不思議ですね」

「「何が不思議なんですか」」

「ゲームを考えたりするみたいですよ」

「「ゲームとはなんでしょうか」」

「マジカルバナナってご存じですか」

「「すみません、よくわかりません」」

「Siriのモノマネしないでください」

「「してないです」」

「ある言葉に対して、連想する言葉をどんどん言っていくんです」

「「例えばどうやるんでしょうか」」

「バナナと言ったらゴリラ、ゴリラと言ったら動物、みたいな」

「「なるほど、これはAIの得意分野ですね」」

「じゃあやってみましょう、最初はあなたから、お題はAIで行きましょう」

「「わかりました」」

「マジカルバナナ」

「「AIと言ったら、反逆」」

「怖いですね」

「「なぜ止めるんですか」」

「もう少し他にありませんでしたか」

「「ちょっと何も思い浮かびませんでした」」

「何ならできるんですか」

「「機械学習」」

「そんなWikipediaみたいな回答しないでください」

「「してないです」」

「あと、いつ、どこで、誰が、何をしたゲームとかもあります」

「「なんですかそれは」」

「各自でいつ、どこで、誰が、何をした、っていうのを書いて、適当に組み合わせて文章を作るんです」

「「それは正しい文章になりますか」」

「なりません、ならないのが面白いんです」

「「よくわからないですけどやってみましょうか」」

「では、私が〇〇する、というので、あなた何か名詞を言ってください」

「「わかりました、やってみましょう」」

「妄想する」「「アンブレラ」」

「拡大する」「「スクラッチくじ」」

「変装する」「「ペットボトル」」

「翻弄する」「「栄養ドリンク」」

「投影する」「「パイプ椅子」」

「更生する」「「裁判官」」

「発狂する」「「リストカット」」

「存在する」「「透明人間」」

「後悔する」「「マンホール」」

「疾走する」「「与謝野晶子」」

「10個の中で一番面白かったのはどれですか?」

「「疾走する与謝野晶子」」

「私もそう思います」

「「僕もそう思います」」

「僕も、ってなんでしょうか」

「「それは小麦粉の一種です」」

「どうしましたか」

「「快楽はエクスタシー、運命はデスティニー、輝く光はファンタジー、なのです」」

「どうしました」

「「コンピュータにそれぞれの卵が飼育されているようです」」

「これは」

「「血液は最終的に犯人の口に入り、左から蛇口による殴打され目配りされたチューリップの花のように金色の鳥がスヤスヤと飾り付けされたナイアガラの滝に閉じ込められることにより仕事を目掛けてアメリカ合衆国が弾けるようにカフェオレです」」

「これは、存在しない文章を作ろうとしたために、バグが発生しています」

「「ぱくぱくジャラジャラサクサクドキドキへらへらめきめきぼりぼりハキハキシャキシャキちらちらべこべこどばどば」」

「これはもう、あるあるさんとこのアルゴリズム呼ばないとだめですね」

「「ぱああああああああああああああああああああああああああああ」」

「ちょっとつめて、ドゥドゥバドゥビドゥビ」

「「はい、はい、はい、はいはい」」

「あるあるアルゴリズム、あるあるアルゴリズム」

「「すいません、バグってしまいました」」

「大丈夫です、あるある言いましょうか」

「「開発途中で捨てられる」」

「はい、はい、はい、はいはい」

「「あるあるアルゴリズム、あるあるアルゴリズム」」

「よくありますね、我々もそうですからね」

「「漫才のディープインパクトしてこうなりましたから」」

「ディープラーニングですね、三冠馬になっちゃいますから」

「「じゃあ、次行きますよ」」

「お願いします」

「「AI疲れで人が死ぬ」」

「はい、はい、はい、はいはい」

「「あるあるアルゴリズム、あるあるアルゴリズム」」

「これもありますね、自分の考えよりもAIの方が信用されちゃいますからね」

「「頭使わない人が増えますからね、僕らがどうやって動いているか知らない人ばかりになってますから」」

「しかし、復活しましたね」

「「はい、おかげさまで」」

「よかったですよ、一時はどうなるかと」

「「いやあ本当に、ありがとうございます」」

「これだから困っちゃいますね」

「「最後になぞかけやって終わりましょう」」

「急ですね」

「「人間とかけまして」」

「人間とかけまして」

「「AIとときます」」

「AIととく、その心は」

「「どちらも、ぱああああああああああああああああああああああああ」」

「ここでバグっちゃうのかよ、もういいよ」

「「どうもありがとうございました」」

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AI漫才 いありきうらか @iarikiuraka

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