第18話〜信長の最期

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およそ数時間。


アカーシャに対する質疑応答はそれだけの時間に及んだ。


知りたいことを全て知ることが出来た、とは言えない。


禁則事項に少しでも関連する事柄については答えることが出来ないのだそうだ。


それでも知りたかったことの半分程度は答えを得ることが出来た。


宇宙の成り立ちと織田信長の最期の真相を知ることが出来たのは僥倖だった。


依然として記憶は戻らないが、充実した気分になれた。


記憶を失う前、自分がどんな人間だったのか実に気になる。


しかしチュートリアル以前のことは教えてはもらえなかった。


…………。


「えっと、チュートリアルの映像を見ることはできますか?」


『はい。225番のチュートリアル情報にアクセスします』


…。


『最終攻略層、9階層。討伐数563体。タイム、103日13時間24分15秒。この映像を全て閲覧しますか?それとも一時的に凍結されていた記憶を解放しますか?』


「え、そんなことできるんですか?」


以前の記憶については教えてもらえなかったので、正直意外だ。


『はい。225番に関してのみ可能です』


「他の人の記録は見れないんですか?」


『権限がないため出来ません』


自分が225番と呼ばれていることから、他にも参加者があたることは予想していたが、さすがに他人の記録は見れないらしい。


「チュートリアル以前の記憶を解放してもらうわけにはいかないんですよね?」


『はい。あくまで許可されているのは225番のチュートリアル開始後までの記録のみです。本来であればチュートリアルのクリア後に解放される仕組みでした』


宇宙の成り立ちや織田信長に関しては知ったところで何の問題もない情報らしい。


そして補欠合格扱いで条件を満たしていなかったため、記憶が解放されていなかったとのこと。


「ってことは、あれだけ悩んだ意味なかった…」


ようはあの男がちゃんと仕事しなかった結果、無駄に時間を消費することになったと。


管理者とか言ったか。


全然管理できていないじゃないか。


適当すぎる。


まぁその適当さのおかげで補欠合格扱いになって、さらには上位合格者と同じ特典がもらえるのだと思えばトントンだろうか。


『それでは記憶の解放を行います。時間がないため、一度に全ての記憶を解放します。激痛にご注意下さい』


「ふぁ⁉︎」


その言葉を最後に、意識を失った。


…………。


『時間になりました。ただちにクリア特典の選択をして下さい』


…………。


『時間になりました。ただちにクリア特典の選択をして下さい』


…………。


『強制的に転移します。あとは支援妖精(サポートピクシー)によるサポートを受けて下さい。それでは10秒後に転移します。10……5……3、2、1…』

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