第6話〜突然の別れ
「びよ〜」
「びょびよ」
「びよ〜びよ〜」
「びよ」
今日も弟妹たちは元気です。
元気が一番!
もふもふに囲まれて幸せ一杯な今日この頃。
「ぴょ〜(いい天気だわ〜)」
ふふ、あの雲とかソフトクリームみたい。
食べちゃいたいなー。
「びよ」
つんつん
「びよ」
つんつんつんつん
やめてママン、わたしは雲を眺めるので忙しいの!
構うならあのこたちにして!
「びよ!」
むぐっ
ウネウネウネ
「ぴょ〜!(いや〜!)」
はい、現実逃避してもワームさんは逃げてくれません。
ママン、わたし、いい子にしてるよね?
そろそろ木の実とか食べさせて?
…………………………。
それにしても、この子たちの性別ってどうなんだろう?
なんとなく一羽一羽は見分けることはできるんだけど、さすがにオスメスの違いが分からない。
うーん、ひよこ鑑定士の資格、やっぱり取っておけばよかったかなぁ。
いや、さすがにこの子たちのおちりをまじまじ観察するのはダメよね〜。
見た感じ、羽の生え揃った感じとかも違いがあまりないみたいだし。
もしかして全員オスかメス?
あ、わたしはちゃんとメスだよー。
ビュウッ
「ぴょ(おっと)」
わたしたちの巣を強めの風が吹き抜けていった。
危ないなぁ。
まだ飛べないし、落ちたら大変大変。
…………………………。
ああ、それにしてもヒナって可愛いなぁ。
小さいヒナを手の平のうえで愛めでるのもいいけど、等身大でも可愛いから愛で甲斐があるってものよ!
まぁ今のわたしは小さ過ぎて4匹に囲まれると簡単にもみくちゃにされちゃうんだけどね。
「「「「びよ〜」」」」
「ぴょ〜ぴょ!(ほら、順番にやったげるから大人しくしなさい)」
それに言葉も通じないんだよね。
分かるようになりたいなぁ。
もふも…羽繕いしてあげてるとすぐ他の子がやってやってーって感じできちゃうんだよね。
まぁ「待って」って言うと大人しくするから一応通じてるのかな?
「びよ〜(おなかすいた〜)」
「ぴょ?(ふぇ?)」
「びよー、びよー(おねーちゃん、ボクもはづくろいー)」
なんかいきなり言葉が通じるようになりました。
(°△°)
…………………………。
ビュウゥゥッ!
「ぴょ〜…(うぅ…)」
昨日から風が強い。
空も曇ってて、今にも雨が降ってきそうな天気。
弟妹たちもみんなママンの下に潜り込んで固まってる。
うーむ、団子状態のヒナたち。
(°▽°)ラブリー♡
わたしもあの中にモフリ……入りたいけど、もうちょっとこのもふ可愛い弟妹たちを眺めていようかな。
にしても風強いなぁ。
…………………………。
「…………ぴょ?(…………あれ?)」
目が覚めたら見知らぬ天井、というか空が見えた。
わたしたちが生まれた巣は木の枝の上にあって、枝と葉っぱに隠れてたから真上に空は見えなかったはずなんだけど……。
ってなんか地面揺れてない?
というか上下に揺られてるような…。
というか巣はこんなふわふわしてなかったよね?
おそるおそる辺りを見渡してみると…。
「ぴ、ぴょ〜…?(お、おおかみさん…?)」
動く景色の進む先。
おっきなもふもふ頭がありました。
ワンちゃんかとも思ったけど、けど見覚えのある毛並みと色から狼だって気付いた。
たまに巣の下を通ってくのを見かけたことあったから覚えてたんだよね。
ナイス記憶力!
「ぴょー!(どやー!)」
・:*+.∈(( °▽° ))∋.:+
…………。
はい、現実を見ます。
もしかしてわたし、風で巣から落ちちゃった?
不意にフワッと身体が浮いたのは覚えてるんだけど…。
それで偶然巣の下にいたこのもふもふなオオカミさんの背中にズッポシ埋まっちゃったと。
それで背中に乗ったまま移動しちゃったと…。
ふむふむ。
謎は解けたよ?ワトソン君。
「ぴょ(ふむ)」
なんてこっちゃあぁぁぁぁ!!
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