第7話 真相……

春田はるた聖司!! あなたが鬼頭きとうを殺した【真犯人】ねェ……!!」

 リオは睨みつけるように、ひと差し指を春田へ突きつけた。



「うゥ……」

 春田はるたは頬を引つらせ小さく呻いた。



「ダブルピースは、【平和】を表わす『ピース サイン』でも、カニの『ハサミ』でもなかったのよ!!」

 リオの言う通りだ。




「そうか!!」やっとボクもわかった。

「あの『ダブルピース』はバ○タン星人のハサミだったんだ!!」

 春田はるた 聖司セイジ鬼頭きとうの幼馴染みだ。



 当然、春田はるた 聖司セイジだけに小学生時代のアダ名は、【バ○タン星人】だった。



「フン……」春田はるたは観念したようだ。

「その通りだ……。俺が鬼頭きとうを……!!

 ヤツを刺した」

 ボソボソと自供し始めた。



「バ○タン星人ッて、アダ名も小学生の時、鬼頭アイツがつけたンだ……。

 鬼頭アイツは、自分のモノは自分のモノ!!

 他人ひとのモノも自分のモノ。

 気に入れば相手を血祭りにしてでも奪いっていく」


「ン……」僕も聞いていて滅入った。


 まるで、ジャイ○ンから可愛いげを無くし、さらに凶暴化したような暴君ヤツだ。


「最愛のフィアンセも暴力ちからくで……。その結果、彼女は自ら命を絶ったンだ」


「ン……」なるほど動機は解った。


「俺がナイフで刺すと、春田アイツはコレクションケースからバ○タン星人のフィギアを握ったンだ!!」


「そうか……。バ○タン星人だけ春田かれの血の掌紋がついては、すぐに疑われる」

「ああ……」



「だからバルタン星人を奪い、他のフィギアを床に叩き落としたのね」

 リオも眉をひそめ訊いた。



「ああ、そうだ……。そうしておけば、何が無くなったのか、解らないと思って……」

 訥々とつとつと自供を始めた。



 こうして、春田はるた聖司は警察へ連行されていった。



 やはりショパンはスゴい。



 床に落とされた無数のフィギアをほんの数秒見ただけで、すぐにバ○タン星人のフィギアが無い事を察知したようだ。

 

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