05.我が母



忘れたくないはずなのに

忘れたくなることがある

もう一度会いたいのに

会っちゃいけないとも思う


とてもいい人だと誉めておきながら

ガミガミ怒るあなたを信じられなくなった


それは愛だってこと

知るには少し幼すぎたよ

でもその後に待ち受ける

温かいものがとても好きだよ


忘れてても 空見上げ

私はここにいると言ってくれた

泣いてても 顔を向けて

僕はここにいるよと返した


母さん、僕はやっとここで

あなたへの恩を全て返せる

母さん、どうもありがとう

その優しさに何度助けられたか



あの頃に泣き叫んでも怒られないのに

いつしか泣くことがダメになったのは

どうしてだろう?


大人になればわかるかな

大人って何なのか

今でもわからない大人の僕は

ほんとに大人なの?


僕だって欲しいものはあるし

譲れないものだって持ってる

結局何一つ変われてないって

誰か叱ってよ


離れても そばにいる

僕はそれだけで生きれるんだ

寂しくても 負けないで

僕は大丈夫だよって笑った


母さん、待たせてごめんね

親孝行なんて大層なものじゃないけど

母さん、いつもごめんね

わがままで散々苦しめてばかりで



僕のふるさとはいつも

僕を見守ってくれていた

帰りたい時はいつも

お腹一杯の愛で“おかえり”


ただいま



忘れてても 空見上げ

私はここにいると言ってくれた

泣いてても 顔を向けて

僕はここにいるよと返した


母さん、僕はやっとここで

あなたへの恩を全て返せる

母さん、ありがとう

今度は僕が助ける番だよ


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