精神年齢が上の妹は好きじゃありませんか?
くにすらのに
第1話 巨乳の妹は好きじゃありませんか?
「ねえ、先輩」
「ダメだ」
「まだ何も言ってないじゃないですか」
「お前みたいな妹がいて堪るか」
生徒会室に入るなり私は先輩に声を掛けて一瞬でフラれました。
前に先輩が『妹と言えばツインテールだ』と語っていたのを聞いて、それ以来伸ばしている髪も心なしかツヤを失った気がします。
「私、先輩のこと頼れるお兄ちゃんだって思ってますよ?」
「そんな頼れるお兄ちゃんよりも優秀な妹なんて俺は嫌なの」
「お兄ちゃんだって十分優秀じゃないですかー」
ほっぺを膨らませて可愛いアピールをするものの先輩は見向きもしてくれません。
「そうやって意地を張る姿が可愛いんですけどね」
「あ゛ん゛」
私が頼れるお兄ちゃんとして慕う
中三の時、ちょっと恐めのオトナ達に絡まれているところを助けてくれた恩人です。
「あの時の先輩は素直で可愛かったなー。『お姉さんケガはありませんか?』あんな風に声を掛けてもらったのは初めてでした」
当時のことを思い出すとうっとりしちゃいます。
周りより大人びて見えるせいか変なナンパに遭うことは多かったのですが、あの日は特にしつこくて……。
そんな時に現れたのが1つ年上の先輩でした。
「先輩を小学生と勘違いしたのは謝りますけど、先輩だって私を年上だと思ってたじゃないですか」
「くっ……! それは……」
私も最初はお姉さんぶっていました。
『ありがとう。ボク、何年生?』
『一年生です』
『小学生……にしては大きいよね。中学生だったかな?』
『……高校一年生です』
『先輩……だったんですね』
子供の視線の高さに合わせるように屈んでいた私はすぐに姿勢を正し、改めて年上に対する礼儀正しいお礼を申し上げました。
通りで視線が私の胸元に集中していたはずです。
この年齢に合わない成長を遂げた胸が嫌で嫌で仕方なかったですけど、先輩が興味を持ってくれたのなら少しだけ好きになれました。
「もし先輩がいかにも高校生な外見だったらあのクソ野郎達とバトルになってたかもですよ? 子供相手に
「それはまあ……そうかもしれないが」
「絶対そうですって。先輩の漢気と見た目の可愛さが世界に平和をもたらすのです」
「だから可愛い言うな!」
メガネの奥の瞳がメラメラと燃え上がっているようです。
「ムキになって怒る姿も可愛いなー」
「ケンカ売ってるのか?」
「すみません。つい心の声が漏れてしまいました」
見た目は可愛い小学生でも中身は立派な先輩でありお兄ちゃんです。
謝るべき時はきちんと謝ります。なぜなら
「精神年齢は私の方が上ですけどね」
「精神年齢が高いやつはそうやってマウントを取らないんじゃないか?」
「むふふ。私はオトナなのでそんな挑発には乗りませんよ」
以前、私が先輩の妹に相応しいことを証明するためにネットで見つけた心理テストをやった結果、先輩は年相応の16歳。
一方、私は25歳という年の差カップルになってしまったのです。
「そうか。俺よりもオトナなら妹になれないな」
「私が先輩をオトナにしてあげたら妹になれません?」
「バッ! なにを……っ!」
先輩は顔を真っ赤にして突然立ち上がりました。
さすがは精神年齢16歳。年相応の反応をしてくれます。
「先輩ナニを想像したんですか? 私はオトナのマナーや作法を教えてあげようと思ったんですよ?」
「そ、そんなの
「もう先輩ったら呼び捨てなんて、やっぱり妹として見てるんですね」
「違うわ! 人さまの親御さんを悪く言いたくはないが、
「私もそう思います。でも、先輩から名前を呼び捨てしてもらえるって考えたら感謝しかありません」
「だから俺の口から出てるのは苗字の
ひよこみたいなちっちゃい女の子なら先輩の妹になれたのに神様はイジワルです。
「それにしても会長遅いですねー。私達のカップルオーラに気を遣ってくれてるのでしょうか?」
「は?」
鬼の形相をする先輩も可愛い! 今回は心の声を漏らさずちゃんと我慢しました。
「
「それくらい私だってわかってますー。でも、あんなにちっちゃいと誘拐されないか心配になりません? 先輩みたいな変態に」
「宇佐美先輩は守備範囲外だ。
「ほほう。奇遇じゃな。わらわも月見里くんのような存在していない妹に
音もなく入ってきたのは生徒会長である宇佐美先輩です。
月見里先輩に負けず劣らずの童顔と小柄な体型。そして髪型はなんとツインテールです。
自分で言うのもなんですが、私と並んで歩いたら若くして出産した母親と間違われるかもしれません。
「まったく。この学校にまともな男はおらぬのか」
「いや、宇佐美先輩の喋り方もだいぶまともじゃないと思いますよ?」
「むむ。体ばかり成長した生意気な後輩にオトナの恐さを思い知らせてやろう」
「……っ!」
目にも止まらぬ速さで宇佐美先輩は私のブラのホックを外しました。
ブレザーの下に手を潜り込ませてですよ?
「すみません。ちょっとお花を摘みに……」
「んん? いいのか後輩?
「宇佐美先輩は俺の守備範囲外だから安心しろ」
「それってつまり私に脈アリってことですか!?」
先輩の発言に思わず前のめりに反応してしまいました。ブラが緩んで胸が無防備になっていることを忘れて。
「あ、いや、そういうわけじゃ」
自分の胸が大いに揺れて、先輩が視線を逸らした理由に気付きました。
妹みたいな女の子が理想と言ってもおっぱいには弱いんですね。
「先輩はロリな妹よりも巨乳の妹が好きなんですよね?」
「いいから早く行ってこい!」
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