第4話 聖剣抜けなかったら強制労働って巫女長が正気じゃない。

「ふう、やれやれだぜ」

 与えられたのは貫頭衣ってやつ?

 布の真ん中に穴が空いてて、そこに頭を通してあとは腰ひもで止める、みたいな原始的なやつ。服のご先祖様みたいなシロモノだなこりゃ。下着はくれなかったのでスースーするぜ。


「あなたのモノも収まりましたか?」

「巫女長、言い方! 言い方が!!」と周りの巫女さんがツッコミ入れてる。

「ほんとにな」

 薄着の若い巫女さんをなるべく見ないようにしつつ(また勃つとアレなので)、

「で、聖剣は?」

「あちらです」

「ああ。あの台座の」

「全裸降臨の勇者様であれば当然御存じかと思いますが、聖剣を抜く機会はひとりにつき一度のみですので、心して挑んでくださいませ」

 えーと、初耳なんだが?

「一応確認だ」

「なんなりと」

「抜けなかった場合、どうなる?」

「勇者を騙る犯罪者として、強制労働三百年の刑に処されます。具体的には地下で巨大な柱に取り付けられた棒を延々回し続けることになります」

「昔漫画で見た絵面だなあ」

 ワンチャンスで勇者か犯罪者か。このギャンブル、分が悪すぎない? 近代麻雀の漫画でももうちょい条件緩いわ。

「え、今まで挑戦した奴等ってバカなの?」

「誰もが各地で名を馳せた勇士だったのですが……」

 その勇士を犯罪者扱いしてやんなよな……。

 だいぶやべえぞこの巫女長。


 以下次回! 抜くや、抜かざるや……!(聖剣をね)

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