梅渋奇譚、続
暇の三
第1話エピローグ~始まりを告げる鐘が鳴る
ーー金、金が欲しい、金が欲しい、どうしても、どうしても、、金が、、、金が
ほしいほしいほしいほしい
ーーそのためには、こうするのみ、
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地元、特に現代の田舎というと、バスがおおむね、来ないとか
電車が一時間に一本とかそういうイメージだろうか
それ自体はその通りだし、さらに言うなら10くらい電車が遅れたとしてだれも
文句を言ったりなんかしないが
田舎といえば、人が歩いてるイメージがあるだろ、でも、それは現状の地方じゃない
残念ながら、人より車のほうが多いんだーー昼間外を見てみれば
とにかく、中途半端に都会で、中途半端に田舎で、中途半端に山が近くて
それが、九州の一地方都市なんだけど
「、、、そう」
なんでこんなとこに、東京で大手で、やってそうな社長令嬢が来るのか
っていうかもうね、ここはあまりおおきいびるとかないからね
冷静そうな瞳に、落ち着きのある風貌、何よりどこか憂いを秘めた表情はとても魅力的なんだけど
「あの、大丈夫」
主人公の隣はそれどころじゃない、さっそく闇にのまれかけている
ーーここは臨界、地元民しか知らない、山中の洞窟を通り抜けると出てくる世界
いわば、世界の虚数ーーあって、ない世界
ここに渦巻いているのは様々な感情、うれしさ、悲しさ、喜び
その中でも、憎しみや恨み見たいものはヘドロのように悪臭を放つ塊になる
ーーこれを掃除するのが、仕事っていうか義務みたいなものだ
虚数世界の中で渦巻く感情は、しばらくすると実世界のほうに溶け出し
現象化する
そうなったとき、どうなる、そうーー憎しみは憎しみをうみだし
恨みを恨みを出す
「それじゃぱっぱとお掃除お掃除」
いつもモップみたいなもので、ハワイテルだけの仕事なんだけど
たまに、黒く染まった人間の残骸みたいなものが出る
それは、まず悪臭で気づくー次に、ぞっとする気配で
最後に、ぼろぼろの肢体で
「あああああああああああ」
こういう時、俺は逃げ出すーー仕方ないだろ命あっての物種なんだから
ただし、それも「確実にお掃除するためなんだけどね」
モップをくるりと逆向きにかえると、勢いよく両手で押し出す
「さーて、お仕事お仕事」
闇というか、別の残骸に襲われている相棒はたすけてあげなくていいだろう、だってあいつはーー
<忌み子の血統、呪われし厄人形そのものなんだから>
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