第29話 けっこう怖いのは廊下の人影

 病院の消灯は早い。9時。自宅ならようやく晩ご飯のお皿洗いがおわったかどうかの時間。

 はじめの日、痛くて何度も目が覚め、その度になかなか眠れず。カーテンなんか気にしてなかったから、そのまま開いた状態にしていたら、暗い廊下を、一人でトイレに行ける人が通るたびに、ぞーっとちょっと怖かった。私はけっこうビックリしーなのだ。

 以来、寝るときはカーテンを閉める。来た頃は、このカーテンを閉めることが自分でできなかった。だから消灯前に看護師さんが部屋を見廻る時に、すみません、と言いつつ、閉めてもらった。今は一人でできるもん!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る