嘘の恋

早乙女りんご

第1話 明日のことなんか考えきれなくて

プロローグ


妹が死んだ。

体の弱い妹だったから私たちはいつも一緒にいたけど、なんであんな残酷な死に方を選んだのか私には全く理解できなかった。

可愛い可愛い私の妹。双子なのにまったく似てない私とあなた。あなたがいなくなった今私はどうして生きていけばいいの?




ー妹が死んだ日ー


それはクリスマスの日。

私が悠太と2人きりで出かけた日。

妹は気づいていたのかな?でもあなたが悪い


12月25日


「おはよ。」「おはよう。」


普段通りの会話しかしてなくて

私は卵焼きで妹はパンを食べてなんにも変わらない。

「お姉ちゃん今日出かけるんだよね?彼氏ー?」

「違うよ〜笑バイト。」

「そーだよね。はぁ私彼氏に嫌われてるのかなー?」

「どうしたの?」

「今日でかけよう!って言ったらね

用事があるからごめんねって言われたの」

「へぇ大変なんだねぇ」

「そうなの!でも私はそんな優希さんが好きだから我慢できるよ」

「ただ、聞いて欲しかっただけなんでしょー笑」

「バレた?笑」

「もぅー」

「お姉ちゃんもうすぐ10時だよ大丈夫なの??」

「あ、もう行くね」

「片付けしとくからもう行っていいよ」

「あーごめんね卵まだ食べきれてないや」

「捨てとくよ」

「ホントにごめんねいってきまーす」

ガチャ

息苦しとそっと呟いて、走って電車に乗った

「次は大阪難波、大阪難波」

目的はバイトだけじゃない私はバイト後デートするのだ。

ずんずん走って店に着いた。

海外の食べ物などを売ってるお店だ

「おはようございます!」

「おはよう!今日はクリスマスだから人多いけど頑張ろうね!!」

「はい!」

いつもの定位置についてコーヒーを配る私。時々レジもする

これがいつもの日常。

6時になって早めにあがらせてもらって

あの場所に急ぐ。

「おまたせー待った?」

「待ってないよおいで」

「もー優希くんったらー」

「そーゆう所妹と似てないよな」

「妹の話出さないでよ笑」

「あー悪ぃ悪ぃ」

「で?今からご飯食べてサプライズで妹にあってあげたらー??」

「いいなそれ!

優香が先に帰って俺が時間ずらして」

「それならバレないよねー」

「まぁ舞香が悪い」

「ほんとにね」

「まぁ今日はオシャレなディナーでも用意したから行こうぜ!」

「うん!!」

これでいい!妹に天罰がくだったのも同然

私はあなたと素敵な時間をただただ過ごすだけ

「ほんとにありがと!美味しいね」

「あぁ」

「どしたの?携帯ばっかりいじって」

「いやちょっとな」

「んー??わかった!妹とラインですかー??」

「まぁそうなんだけどよ

既読が全くつかないの」

「えぇ今日は一日中家にいる予定だと思うよ」

「まぁいっかサプライズサプライズ」

「もうめんどくさいからちょうどあったからってことで一緒に家行こう!」

「まぁ行けるやろ!!」

「もうご馳走様ー」

「んじゃぁ二人で行くか」

「うんそーやね」


電車内


「はたから見たら私たちはカップルに見えるのかな」

「そりゃあ見えるだろ」

「あ、着いた」

「駅から家近いのっていいよな」

「でしょー!でもねバイトしないと生きていけないくらいカツカツだよー親にもお金貰ってるけどさぁー」

「そうなのかぁ

あっ、着いたな」

「今鍵開けるね」

ガチャ

「「サプラーイズ!!」」

「いやぁーーー」

「嘘だろおい」

部屋いっぱいに響き渡った声は妹の嬉しそうな声ではなく私たちの悲鳴だった

「どうすればいいの?」

「とりあえず110番」

そこからのことはあんまり覚えていない

ただ私たちの家に警察がいっぱい来て、死因を伝えられて葬式も終わって今ただ無心の状態


死因はアレルギーによるアナフィラキシーショックらしい

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