まずはホットドッグを上手く作りましょう。


「楽しかったわ、二人ともありがとう♪」

 と、アマテラスさん。

 

 それまで、何かいいたそうにしていたジリアンが、意を決したのか、

「アマテラスさん、私のお姉さまになってくれませんか!」

 突然に言ったのです。


「えっ」


「私、がんばってウイッチになります!」

「だから私のお姉さまになってください!」

「いつも一緒にいてほしいのです!」


 困ったようなアマテラスさんでしたが、

「貴女さえよければだけど、ジリアンは私の妹と思っているわ、ウイッチになって、私を助けてくれる?」

「約束します!」


 セシリーさんが、

「キャロラインもだけど、ウイッチになるまえに、女性としての、最低限の嗜みは身につけてほしいわね」

「まずはホットドッグを上手く作ってね」


「かならず今度は、上手く作って見せます!」

 ジリアンの力強い返事に、キャロラインが、

「ジリアン、一度失敗しているからまずは行動よ」


 こうしてキャロラインとジリアンの、ルナパークにおけるベティ女子スクール付属小学校の遠足は終わったのですが、『お漏らし事件』以来、二人は仲間、いつも一緒。

 この後、ジリアンは一念発起、メイド任官課程に合格したのです。


 卒業後、二人ともウイッチになり、いまではアマテラスさんの秘書官などになっています。

 

 優秀な二人ですが、相変わらずそそっかしい上に、ジリアンが突っ走り、キャロラインがカバーするパターンは健在、ハウスキーパー事務局も、そのあたりは理解しているようで、二人は必ず一緒なのです。


 二人ともブルドーザーのような行動力、その上アバウトですから、セシリーさんのお手伝いは無理。

 やはりアマテラスさんの下で、プラネテスの相手をするのがお似合いのようです。 


 相変わらず料理は下手のようですねが、不思議なことにコーンドッグは上手にあげる二人、そしてレタスドッグをつけて、アマテラスさんに作っていましたが、この食べ方、結構プラネテスミリタリーでは、好まれるようになったのです。


 いつの間にかベティ・プラネテス・セットとよばれるようになり、プラネテスの食堂の名物となっているようです。


 でっかいコーンドッグと、レタスを山ほど挟んだ大き目のフランスパンのレタスドッグ。

 パンの切れ目には、ガーリックとオリーブオイルがかなりしみこませてあります。

 そして軽いアメリカンタイプのラージサイズのコーヒー。

 相当なボリュームが、皆さんには受けているのです。


  FIN


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る