コッペハウス


 『コッペハウス』には、コッペパンの小型全自動製造装置が設置されています。

 名前の由来も、このコッペパンから来ているようです。


 一日三回、四時、十一時、十九時に焼き上がる事になっています。

 別に連続運転しても支障はありませんが、三十分単位で百個焼き上げることができます。


 コッペパンは、その昔の日本の学校給食用パンの規格で、原料配合率は小麦粉100・砂糖3・マーガリン2・イースト2・食塩1.7、含水率は37パーセント以下、製品重量は10食あたり1424gとなっています。


 これはマルス文化圏のパンですが、エラム文化圏では、『にがり草』から作られるパンが出されます。


 これに、冷蔵保存されているトランス脂肪酸を使わない、レイルロード仕様の使い切り角形マーガリン、またはジャムが一個つきます。


 飲み物としては、インスタントコーヒーマシンによるコーヒー、これはインスタントコーヒーを、極少量の水で練って、熱湯を入れる物で、結構美味しいといわれている方法をとっています。

 エラム文化圏の為に、ココアマシンも設置されています。


 砂糖とミルクはボタンがついており、店員がお客の申し出で操作します。

 極めて小さな機械で、アイスコーヒーは出来ません。

 

 廉価で提供されており、スプレッド一個が付き、コーヒーまたはココアとセットで50円、ウイッチは無料ですね。


 『コッペハウス』は小さいパン工場の様な物、焼きたてパンを提供出来る、この『コッペハウス』仕様のパン小型全自動製造装置は大変な優れもの。

 どんな粉からもパンが作れるのです。

 つまりマルス文化圏の、トウモロコシ用の実用プラントは驚異的な収穫が可能で、これから簡単にパンを作れるこの装置は、食料確保という点でも有意義なのです。


 さらにいえば、もっと驚異的な収穫の、エラムの『にがり草』からも、パンが作れるその汎用性も、緊急時の主食確保という点で、軍事的な観点からも認められているのです。


 ミリタリーは戦闘艦に、この機械を搭載しようともくろんでいるのです。

 やはり宇宙船内で、焼きたてパンが食べられれば乗組員の士気が上がりますからね。

 ミリタリーには、インスタントコーヒーマシンも好評で、こちらも導入を狙っているのです。


 知ってか知らずか、コニーの役目はかなり重大なのです。


 そんなコニーの最初にしたことは、コッペパン小型全自動製造装置にフランス語の『パン・タント――Pan tante、パン伯母さんの意味――』から『パント――Pante――』と名付けたのです。

 これはルーマニア語で『パンテ』、ゲレンデの意味、そんなとこまでは考えていないようです。

 

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