右足大腿部貫通射創


「ミコ様!」

 思わず絶叫したミトリ。


 ミコが振り向き、手を振ったような……

 そして巨大な稲妻がスローモーションのように天からおりてきたかと思うと、目もくらむ閃光と耳をつんざく雷鳴……

 エイラートの町のあった場所は、何も残っていない様です。


「あら、どうしたの、元気がないわね、まさか私が死んだと思ったわけではないでしょうね」

 ミコの声がしました。


「……」


「言ったでしょう、ミトリのお尻とお乳は私の物なの、私は一度つかんだら離さないのよ、だから私の物を触るために、絶対に死なないのよ、おわかり?」

 そう言ってミコさん、ミトリの胸をムギッと握ります。

「これ以上は後ね、先にお客さんの怪我を治しますか」


 ミコさん、エスティ・ラファエロの足を治すために、ズボンをはぎ取ります。

「右足大腿部を銃弾が貫通しているわね、貴女、よく正気を保っているわね、とにかく痛みをなくしてあげるわ」


 そう言うと手を頭に当てたミコさん、一瞬手が輝いた様に見えましたが、みるみる真っ青なエスティ・ラファエロの顔が落ち着いてきました。

「今、脳内麻薬が出るようにしたわ、痛みは消えたでしょう?血も止まったはず」

「しかし足は付け根から切断するしかないわね、骨は粉砕状態、筋肉もほとんど切れている、かろうじてついている状態ね」


「切断……ですか……」

 泣きそうな顔になった、エスティさんです。

 

「ミコさま、ナオミの様に……」

「代価はどうするの?それにもし治すとしても、一度は切断しなければ治せないわ、落ち着いたら本人が考えればいい話、切りますよ」


 あっさりと、右足を付け根から切断してしまうミコさん。

 とんでもないことに、傷口はきれいにふさがっています。

「痛みはないでしょう?四肢切断につきものの、幻肢も感じないはず、脳内神経も調整しときましたから」

「……」


「処置料は格安にしてあげるから、今後の事はナーキッドに面倒を見させるわ、命を拾えたのよ、そんなに深刻な顔をしないの!」

「……」


「仕方ないわね、右足よね、ショーツの中も込みで治せる方法があるけど、高いわよ、詳しくはミトリさんに聞くといいわ、これでいいでしょう、ミトリさん」


「ありがとうございます」


「じゃあ、代価を支払ってね、エスティさん、私たちレズなので、ちょっとあちらでスッキリしてくるわね」

 ミトリはこんな時、こんな場所で抱かれると思うと興奮してきました、その証拠にショーツに染みが……


「あら、ミトリ、はしたないわね、これなに?」

 などと、ミコさんに言われて、さらに興奮するミトリ……

 

 で、機内で事に及び、スッキリした二人でした。


「エスティさん、私って変態でしょう、軽蔑してもよいのよ、軽蔑されついでに、こんな事もするのよ」


 エスティの、まだ血だらけのショーツの中に手を突っ込んで、何やら遊んでいるようです。

「やめて!お願いだから!人でなし!」

 

 で、ミコさん、手をショーツから出したのです。

 そしてさらに、胸などつぶれるかと思うほど握り、涙を流しおびえている、エスティのあごを引き寄せ、こう言ったのです。

「処置料はこれでチャラよ」

 

 『US―3不死鳥』は無事にデヴォン島に到着、エスティ・ラファエロは先にたどり着いていた、第33独立軽歩兵大隊の仲間に迎えられたのです。

  

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る