遠く見えるあの景色

山が見える

開けた視界で

山裾から頂上まで

綺麗に見える

この光景を見るたびに

大きなもののスケールが

少しだけ変わる

あの山は

ここから

どれだけ離れているのか

何十キロというのが妥当でも

その「何十キロ」が

曖昧で

まったく現実感がない


歩き続ければ

いつかは辿り着く

でもどれくらい?

何時間?

何日?

とても現実的ではない距離には

どうやっても

形が与えられない


あの大きな山も

その山に立てば

もちろん見えない

ただの地面に

変わってしまう

遠いか

近いか


離れて見ることで

初めて

大きさが大きさとして

感覚に届く

どこか曖昧な

ただ大きいという

大きさ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る