猫みたい

ゆっくりと

こっそりと

意識の隅を通り抜けていく

バダバタしたり

鳴いたりもしない

ひっそり

意識の遠くを

空想の中が横切る


いろいろなことが

気づかないうちに

僕のそばにやってきて

気を向けた時には

もう離れていっている

世の中には

猫みたいに

さりげなくて

しずかなものが

満ちている


猫は

時々

動きを止めて

どこかを見ている

僕に気づけば

ピタリと動かなくなり

じっとこちらを見上げる

思わず見返すと

猫は勢いよく

軽快に走り去っていく


猫みたいに生きたい

猫のように

世界を歩き回りたい

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