元気のある声

新しい世界に

期待を持っている人特有の

強い光

不安もあるはずだし

怖さも感じているはずなのに

期待や希望は

そういう闇を

実にあっさりと

遠ざけてくれる


元気のいい声が

周囲にいる人たちを

さりげなく引き寄せて

そのうちに

みんながギャアギャアと

騒ぎ始めた

そこに居心地のいい

同じことに笑い声をあげる

新しい空気が生まれる


元気なんて

なんの足しにもならない

そう思った時もあった

けど

自分の元気が

他人の元気になるかもしれない

自分の元気が

他人を悲しませるとしても

この

他人を救いながら

他人を傷つける

元気のいい挨拶は

必要なんだろう


明るくない社会には

つまり

必ず暗いところがある

その齟齬が

非情であり

人間の集団の

不完全さなんだろう

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