鳥の視点

空に舞うカメラが

山々の映像を撮影する


まるで鳥が見ている世界のようで

尺度がよくわからなくなり

何が大きいのか

何が小さいのか

それがどれくらいの大きさか

自分が

どれくらいの速度で

飛んでいるのか

そんなことが

全てわからないまま

ただ淡々と

映像は巨大な自然を

俯瞰しながら

滑るように移動していく


人間は

鳥になることを夢見たはずだ

空を飛んで

遠くへ行きたい

空を飛んで

広い世界を見たい


科学は

それを現実にした

鳥のように遠くに飛び渡り

鳥のように空から

地上を見下ろすことができる


しかし科学は

人間そのものではない

鳥の視点の映像は

実は

ただの映像に過ぎない

錯覚を伴う

形だけの世界

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