独立した言葉
スピーカーから聞こえる声が
私の中で像を結んで
私にしか見えない姿が
そこに立ち上がる
全く知らないあなたが
私の頭の中で言葉を発して
アクセント
イントネーション
すっと抜ける語尾が
あなたの姿を作り出し
それが無二のものになって
私の中で
幻ははっきりした実像になる
あなたの笑い声で
私の中のあなたが笑い出す
会ったこともないはずなのに
あなたは私の前でおしゃべりをして
私はそれを真剣に聞き
頷きさえする
見えないはずの姿は
私の目の前で
コロコロと表情を変え
そこにいる
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