第7話 ミニチュアピンシャーのノイモーント7。
わたしの名前はノイモーント ♀。
最近、新しいお家に慣れてきて、ようやく眠れるようになってきた。
この家に来た初日も翌日もあまり寝なかったら、太っちょ猫ご主人様が心配していた。
今朝は朝からうんちを踏んだ。
パニックをおこして泣き叫んで吠えていたら、太っちょ犬ご主人様が気が付いてくれた。
慌てて脚を洗ってくれて、トイレシートを替えてくれる太っちょ犬ご主人様。
はー、朝から大変だった。
それから太っちょ犬ご主人様は出勤する。
そして待てど暮らせど太っちょ猫は起きない。11時になってやって起きて「ヤバイ! ノイのご飯!」と慌てて動き始めた。
太っちょ猫は睡眠障害を持っているから目覚まし時計をセットしない。目覚まし時計をセットするような日は眠れないそうだ。
いつも6時に起きる太っちょ猫。でもそういう日は具合が悪いそうだ。
今日は長く寝ていた。太っちょ猫の風邪は治るだろうか。
昼間、太っちょ猫の手を噛んでいたら、太っちょ猫が手を輪っかにしてノイのマズルを軽く抑えた。
「めっ! 噛んじゃダメでしょ! 噛むとお外に出られないんだからね! それが人間界のルールなの!」
太っちょ猫はとても怒っているが、ノイも負けていられない。身体を動かし、マズルを自由にしようとする。自由になったら、くわっと口を大きく開けた。
「だめ! これは譲らないからね!」
でもすぐ太っちょ猫の手の輪っか内にマズルは抑えこまれてしまう。
ノイと太っちょ猫はしばらく闘い……ノイモーントが負けた。
仕方がない。太っちょ猫はとにかく大きいのだ。
それから太っちょ猫はずっとノイを抱き締めていてくれた。ノイは太っちょ猫の手を舐めていた。
お母さん。
お母さんのところにいたブリーダーもしつけが厳しかったような……それはノイの夢でしょうか。
お母さんとの思い出が遠くなっていきます。
人を噛んじゃいけない。
犬の本能に逆らうのは難しいけれど、ノイはミニチュアピンシャー一族の仔として難しいルールを覚えて立派に生きていきます。
今日は太っちょ猫に沢山抱っこしてもらいました。
お母さんの温かさを思い出します。
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