第7話 あれから27年……
恋子「秀一さん☆ ほら、見て☆
気持ちの良い朝陽だわ。」
恋子は秀一と東京の赤坂のホテルで朝を迎えている。
秀一はタバコに火をつけながら、
「恋ちゃん、あれから10年になるなあ。
君と初めての夜を迎えて・・・
なんか 恋ちゃんは ちっとも変わって無いや。
体のラインだって崩れてないし・・ 」
秀一は、恋子が愛しくなり、直ぐにタバコを消して、また恋子に集中し始めた・・
「秀一さん、もう朝よ・・ あっ、そんな事されたら、起きれなくなっちゃう・・ 」
恋子は 多少イヤイヤをするが、秀一のタッチを拒否する事はできなかった・・
「恋ちゃん、ゴメン。 俺、君が好き過ぎて・・」
30代の頃と比べると、多少肌の衰えのあるものの、
秀一は恋子の少しふっくらとしたボディラインが大好きだった。
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恋子は秀一と初めての夜を迎えてからも、
地元で生真面目な夫と家庭を守った。
10年前というと、その夫の浮気が発覚した時だったが、夫の反省と謝罪の念を確認すると、
それ以上に夫を糾弾する事は無かった。
ただ、秀一との関係には積極的で青少年健全育成協議会の全国会議の役員になったということもあり、
月に2回は東京で宿泊し、秀一との情事を繰り返していた。
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秀一は中堅企業の貿易商を営むようになっており、
儲けた金でフェラーリなどの高級外車を買い、
恋子とのデートに使っていた。
恋子も東京では知り合いに出会う確率も低く、
かなり開放的に秀一とのデートを楽しんでいた。
東京での会議は時として数日に渡る時もあり、
恋子の夫も、少々 恋子の帰りが遅くなっても、
連絡さえ入れておけば、何を言うでも無かった。
むしろ、夫は 親から引き継いだ木材商で稼いだ金を、好きな海外旅行に注ぎ込んでいた。
夫婦共々に生活を楽しむ事に執心していた。
そうでなけれは、お互いパートナーを疑い、
拘束しあう人生を送っていた事だろう。
恋子の子供も高校生になり、親が数日 家を空けても金さえ与えておけば 自由な生活を送れるようになっていたから・・・
恋子と秀一が、ある時は箱根のホテルで数日を過ごす事も珍しくは無くなった。
そうして、恋子が秀一に執心し、月に半分しか地元に帰って来なかった時には、さすがに夫から 一言 言われた。
「恋子、以前の浮気を完全に許して貰ったとは思っていないが、家庭を壊す事だけは・・・ 」
恋子は少し驚いた。《この夫は探偵か何かを使って既に秀一との情事を知っているのかもしれない。》
恋子が黙ったまま何も言わないと、
「いや、良いんだ。俺のほうが悪いから・・・」
と夫が言った。
恋子は『夫はきっと あの事を言ってるんだろうな』と思った。
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