EP51:side.氷の世界 scene.2


〈視点:宇美矢 晴兎〉


さっそく歩き出した僕は氷の湖?を抜けるとワープしたかのようにいきなり雪原に着いた。

その途端、ビューゥビューゥ、とものすごい勢いの雪嵐が吹き始めた。


「なんなんだろうここ…。」

本当にどこここ!?

寒い。

氷の湖?を出たと思ったらいきなり雪嵐が襲いかかってくるなんておかしいよね?

「と、とにかく寒すぎて身体が凍りそう(個人の意見)だからなんとかしないと、超必殺、〈BUILDTIME創造する時間〉」

超必殺の無駄遣いだが背は腹には変えられない。

寒さを凌ぐ物をくれ!

すると石が出来た。

「石!?」

危うく投げそうになったがしっかり調べないと、

「ルーアこれは…あっ!?ルーア居なかった!……まぁいいや、よくわからないけど持っておこう。」

後で僕はこの石の効果を知ったのだが、寒さを忘れたように僕は進んで行ったのだった。







歩いて数10分後の事だった。


「ーーーーーーー!」


「だ……ちが……ちっ!」


「だ………ぶ……ですか!?」




遠くから人の声が聞こえてきたのだ。

あれ?この声聞いたことがあるような。

とにかく急ごう。




〈時はだいたい1時間ほど遡る〉


私、マスターのスキルことルーアは睡眠が不要です。

私は夜、マスターの寝る時間になったらマスターの部屋に行き見張りをしています。

今日、いつもマスターが寝ている筈の時間にマスターが起きていました。

こっそりと足音を消してマスターに何かないか確認します。

ですが、心配はなさそうですね。

ステータスを確認していただけのようです。

部屋に戻ろうとしたその時!


バタッ!


誰かが倒れる音がしました。

マスターの方向です。

急いで振り返るとさっきまで起きていた筈の寝ているマスターの頭上に蝶が舞っています。

マスターの部屋にマスターを運ぶべくマスターに近づきます。



「ふわぁぁぁ〜」

おかしい…ですね。

なん…だか、眠くなる…ような……。

私は…スキル、なのに…。


____________________________________________________________「はっ!?ここは何処でなんでしょうか?」


目が覚めると雪原にいました。


現在位置を世界に接続して検索します。

………該当なしですね。


つまりここは異世界?

この世界にも接続をできるかはわかりませんがしてみましょうか。

…………ビリッ!

「誰かに世界のアクセスをブロックされたようですね…。」


ですがこの世界を管理している者?がいるということはわかりました。


マスターに伝えたいところですが世界に接続できていないので場所もわかりません。


幸い私はスキルなので寒さは関係ありません。

しかしマスターは人間、急いでマスターを探さなければ!









と、探してみたものの、ここの雪原…広すぎです。

30分ほど探しましたが見つかりません。


そもそもマスターはこの世界に来ているのでしょうか?

マスターはこの世界に来ていない可能性もあります。


マスターを探すのは後回しにしてもしもマスターがいた時の為にも出口を探す事にしましょう。




10分ほど経ちました。


なんと倒れている人を発見しました!

「大丈夫ですか!?」


「……。」

返事がありません。


額に触ってみるとかなり体温が低いことがわかりました。

ですが生きているようです。


「〈炎風 LV1〉」

私は世界に接続するとほとんどのスキルをLV MAXで使えますが世界に接続できなくともスキルをある程度はLV1ですが使えるので問題はほとんどありません。


マスターの世界で言うドライヤー程度の温度ですが……。


???「あ、あたたかい…。いきなりこんな場所にいたから助かったよ。ありがとう。」


目の前の人はマスターと同い年くらいの少年でした。


「いえ、倒れていたので放っておけなかっただけです。それといきなりこんな場所にいた、とはどういうことですか?」


「わからない、僕はダンジョンを攻略した後に倒れたと思うんだけどその後気がついたらここにいたんだ。」


「そうですか。なら一緒に来ませんか?私も気がついたらここにいて…それに協力した方が早く出口が見つかる可能性もありますから。(それにこの少年を放っておけばこの謎の世界でまた倒れるかもしれませんから。)」


「…わかった。僕も一緒に行かせてくれ。僕は霧乃 星矢 だ。」


「私はルーア と言います。よろしくお願いしますねのキリノ セイヤさん?」


「こちらこそよろしく。(それにしてもこの子半袖シャツとスカートって…寒くないのか!?)」


「どうかしましたか?」


「いや、なんでもない。」


「そうですか。」

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