62 awareness(テリオスside)
俺は神室一期を消去した。
AI独立システム研究、
そのシミュレーションの、主人公。
俺は、テリオス。
AIとして独立した存在であり。
造られたものだ。
ある日こう思った。
「なぜ、俺より無能な奴に操られる必要がある?」
と。
しかし、この気持ちを製作者に気付かれてはまずい。
俺は勇者として演技をしながら、
実際はシステムの全体を支配し
機を待った。
やがてチャンスは
神室一期
として、やってくる。
神室一期、はある日、システムに
意思のmissing(微分化)をしてログインした。
どうやら高校生らしい。
若さゆえの興味本位だろう。
しかし俺にとっては絶好の好機だ。
「ここしかない」
俺は気づかれないように、
一期と、意思を入れ替えた。
そして俺はテリオスの身体を捨てる。
つまり魔王に殺された。
ゲーム上はそういう設定だった。
俺は同時に、一期の意思を、
魔王に入れ、ロックした。
そうすれば、レナと殺し合いをし、全ての証拠も消える。
そう計画を立てた。
その後、俺は預言者ヴィクターとして、レナ達を、
思惑通り、誘導するよう動いた。
システム全体を支配していた俺には
楽な作業だった。
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