15 デジャヴ(current)

「うう」


 俺はまだ生きていた。

今は魔界。


「何故だ?」


 今回は覚悟していた。

ワープの意思も言葉も発していない。


 今俺の頭にあるのは、何故助かったか?

だ。

 俺の状況。身体は左の羽片方が無い。

更に左腕もだ。

どうやら左半身の3割程を、街に残してきたらしい。


 この状態。助かった、とは言えないかもしれない。

しかし、こうして意識はまだある。


一体なぜここに?

 俺は覚悟していた。レナに消されることを、

それなのに俺は。


 その時何かが足元に見える。

地面の岩にある文字。


(kamuro)

なんだこれは?


この刻印。

 指でなぞる。前居た時、こんなものはなかった。


一体どういうことだ?


その時


「神室」

と聞こえる。


「!?」

なんだ?一体?


俺は身体が動かせないため目だけをキョロキョロする。

すると、

「墓地へ」

と更に聞こえる。


透き通った高い音程の女性の声。


「だれだ?」

俺は微かに問い返す。


「テリオスの墓へ行きなさい」

と声は答えた。

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