第313話  議会

 当たり前の話であるが議会は大騒ぎになる。しかしありきたりなつまらないセリフが飛び交う。


「お前ら何者だ!」


 と兵士達が一気に議場の外周を取り囲み入り口を固める。勿論ゲートから出てきたワーグナーの兵だ。


 俺はわざと上等な服を着ている。それとなく権力者と分かるような服で、本来趣味ではないのだが、ルシテル等から権力者というのはこの手の格好をした者に弱いからそういったも者達を相手にする時に必要になる場合があるからと作らされていたのだ。


 捕らえた提督を連れて議会中の議場に出た俺は


「お前達の国の提督の一人だな。覚えのある奴いるか?」

 問うととざわめきが起こった。何故あの者がここにというような声が聞こえたのである。俺はニコッとしながら


「分かったようだな。こいつが何をしに出港し、今いない筈なのにここにいる事に驚いているというのは見て取れるぞ」


 俺はレーザー銃をにある壇上の演説用の台に発射し、破戒した。


「見ての通りお前達の武器よりも遥かに高度な物を持っている。お前達が攻め、占領しようとした国の皇帝ランスロットだ。さて今回の顛末を誰か説明できるかな?見ての通り我々の方が戦力が上である。このままこの国を攻め滅ぼす事は赤子の手を撚る位簡単だぞ」


 皆静まり返っていた。


「確かこの国は大統領制度を敷いているんだったな。誰だ?」


「こんな横暴が許されると思ってるのか?この野蛮人め!」


 と聞こえた俺はすかさずそいつの足元にレーザー銃を撃ち込む?本当はこういうような脅しはやりたくはないのだが、この手の奴には効果的面でもある。股間が濡れたのが分かる。


「お前はバカか!我らに宣戦布告すらせずいきなり攻めてきたのはお前達の方だ!今は戦時中だぞ。自分達が攻めて行くのはいいが、攻められるのは駄目ってか?そんな都合の良い話はないぞ。勝てると思っていたならおめでたいぞ。本当にバカだなお前達は何に喧嘩売ったのか分かっているのか?言っとくがこんなチンケな火縄銃程度技、俺の魔法で一瞬で消し炭に出来るんだぞ。その気になれば一昼夜掛からずこの都市も滅ぼす事ができる。最も一般市民に手を掛る訳にいかないから、そういった真似はするつもりはないが、お前達政治犯に対して情けをかける必要を俺は持ち合わせてはいない。


 強制返還された兵士から報告を受けていた筈だ。ようやく事の重大さ及び、自分達が何に対して喧嘩を売ったのかだんだん理解できてきたようだ。


 まさに今政治命にどころか、命に関わる状況にあるというのが今わかっただろうから


「政治生命どころではないぞ!貴様様らの命そのものが風前の灯になっていると思え。さてそろそろトップ会談をしたいのだが大統領は誰だ?いないのであれば今すぐここに呼んでくるんだ」


 すると一人の壮年が手を上げ


「私がこの国の大統領です。申し訳ないが私にはいまいち状況が理解できないでいる。我々が攻めたというのか?」


 俺は呆れ返って


「あんたまさかこの国のトップなのに軍部を把握できていないのか?愚かな」  


 俺はタブレットを取り出し、なけなしのバッテリーを消費してしまうが船団が集結し、ワーグナーに攻めて行様子を見せてやった。俺は一言言う


「俺は異世界人だ。異世界から俺の意思に反し召喚されてきたのだが、これは母国で使ってい。向こうで誰でも普通に使える物で、純粋な文明の利器だ。見ての通りお前達より遥かにに進んだ文明から来た。文明の違いから言えば数百には進んでいるところだ。見ての通りお前達の国の船が我が国に大挙して押し寄せ、ワーグナー地方の海岸に乗り込んで来た。しかも建物を制圧して行ったんだ。私には見ての通りの何処にでも開く事ができるゲーを持っており、別の場所から目的の場所にゲートを開きいつでも移動ができる。そうやってワークから兵をこちらに連れてき」


 大統領は震えながら頷き確かに写真から己の国選択であるということを確認したのだ。

「誰だ私に無断で勝手に兵を送り出したのは。彼の地は昔から渡航禁止となっていた筈だ。それでこの禁忌を犯した者が、この中にいるのか?お前に命令をしたものは誰だと問うが提督が語らなかった。だが目が語っていた。そして提督が見ていた者が命じた者だと皆が理解し、皆の目が向くのは大臣の一人だった。大統領が言う説明をしてもらおうかと。


 そして皆が注目する中一人の中年の者が悪態をつきながら発言をし出すのであった。

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