第308話  船団を

 発見した船団をどうするかで悩んでいた。総督達と話をするも結論が出ない。ただひとつ言えるのはワーグナーの通常兵力で真っ向勝負を挑むと勝てる見込みがないという事だ。


 ただし魔法を使える者が魔法で対処すればあっという間に滅ぼせる。俺的には出来れば一人も殺したくなかった。甘いのかもわからないが、倒して殺すのは簡単な事である。


 洋上でファイアーボールを数発投げてやればおそらく片付くだろうと思っている。しかし彼らを殺すという事は向こうの大陸と全面戦争になる事を意味する。あの船団がワーグナーに辿り着けるかどうかは正直分からない。


 途中で嵐に遭いそれにより船団が戦わずして全滅、疫病が流行ってしまい全滅、等と言った事が考えられるからである。

 よしんば辿り着いたとしてもおそらく向こうは洋上からの艦砲射撃でこちらを潰しにくるのだろうと思っている。


 しかしそこは敢えて攻撃をさせ、攻撃が通じない事を悟らせて完膚なきまでに叩きのめそうと思っていた。というのも生け捕りにしてやり、主要メンバーを奴隷にしてゲートで向こうの国に送り返してやろうかと思っていたのである。ハリボテを作ってと思ったが、ふと思い出した。そういえば早苗の能力というのが建物の再現建築だったと。そうあの魔王城は早苗の能力によって作られた物である。スキルによって作るのだが、こだわりがなければ、素早くそれっぽい城を海岸部に作る事が可能だなので、ハリボテ作戦決行である。


 城を破壊するとまた城が出てくる。際限がないような絶望的な状況に追い込み、上陸したところでアースウォールかアイスウォールで閉じ込めて、溺れない程度に水責めにする。また船をどんどん奪っていき、戦意を喪失させていく。


 ただ、問題は兵の数だ。1万から10万の間になると思われる。船に乗れる人員がよくわからないから、1万人なのか10万人なのかがらな分からない。そんな話をしているとどこからともなく、くっくっと笑い声が聞こえてきた。


 攻撃を仕掛けてくるやんて解せないねとか、我らに歯向かうなんて馬鹿よねとか色々と聞こえてくる。


 武器の性能が本来違うのだが、こちらが魔法を使える事を知らないのだろうか?中世の船についているような砲弾ごときでどうこうできるわけではない。その気になれば砲弾全てを特大のファイヤーボールで消して行けば済むのだ。またはアイスボールや何かをぶつけてやり、軌道を逸らしてやれば良い。最も一生懸命ハリボテの城を目指させ上陸させて、敢えて城攻めをさせるのも一興かと思ったニということで海から見えるところに絢爛豪華な城を築くことになった。


 ただ知ってい建物のでないと無理だった。頭に思いが描いたものではないと作れないと言うので、早苗にワーグナーの城よく見させ、城作りをスタートするのであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る