第278話 苦戦
俺は苦戦していた。俺も切り札を温存しているが、魔王も隠している感じだ。かれこれ6時間戦っている。
かなり打ち合っているが全く決まらない。お互いの攻撃を避けたり弾いたりだ。
流れを変える為に奴をおちょくろうとして、収納から自分の体を出しつつ転移で天井近くに行き、体を放出した。別の所に転移て見えない手で身体を操り抱き付きに掛かる。
そこで反応が有った。苛立ちを感じる
魔王「手の込んだ事だこと。よくもまあやりおる。しかしやはり愚か者だな!」
手に持った扇子から何かが出て体に纏わり付き一気に黒ずみ、そして体が消えたのだ。
そして俺の目の前に転移して扇子で同じようにしようとしていたが
「右です」
当然念話が聞こえ、咄嗟に右に動いた。
「っち」
と魔王が唸り
懐からもう一つ扇子を出した。ヤバイと直感が告げる。
念話がまた来た
「ようやく出てこれました。どうか私を助けて下さい。体を支配されています。どうか解放して魂を助けてください」
「解放とは?」
「はい。首を切断して倒して下さい。そして魂を解放して死なせてください」
解放してとは殺してとの事だ。何者かに支配され、切り札を出す等焦り出した為出てこれたようだ。
俺は唸った。
支配している奴だけ引きずり出してやると
扇子をクロスさせて魔力を込め始めたので、集中させないように収納に入れていた匂いのきつい物を投げ付けた。
「っち」
と舌打ちしその場を移動する。
ウオール系で囲み熱湯を入れ始めた。流石に転移をして逃れるが俺も追撃に出た。
それからは攻守が反転した。
時折「左です」「背後に来ます」等と念話で伝えてくれる。
その念話が無ければ致命傷を貰いかねなかった
「そろそろ倒せそうだが、いいのか?」
「はい。最早死ぬしか解放されないので」
「君名前は?」
「早苗と申します。別の形でお会いしとうございました。今なら動きを止められそうです。今です!さようなら」
「分かった。俺も愛してあげたかった。可能なら生き返らせてやる。行くぞ!」
扇子から起死回生の何かを展開し、俺に届く直前に時間停止を使えた。後ろに転移して一気に首を刎ねた。
奴の狙いが少しだけずれていたので、当たらずに済んだのだ。
首が落下し地面を転げる。
そして体から、魂食いが出て来てレニスに向かっていく。
俺は浄化のホーリーを使うとレニスに後10cmという所でチリとなり消えていったのである。
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