第248話 探索再開

 セレーシャの体は裕美やセレナと同様にギフトやスキルを持ってはいるが、ただの地球人だ。ミノタウロスの体のように強靭でもなく、お腹を強く殴れば吐いたり気絶する普通のか弱き女性だ。


 やはり放射能への対処も厳しい。オリヴィアだけは種族特性で影響を受けずに行ける。

 裕美とセレナにセレーシャを任せ、初心者ダンジョンや、妻達と交流を深めて貰う。


 一緒に行動したいが、赦される状況ではない。

 俺は引き続き調査だ。きのうセレーシャ達と出くわした辺りから調査を開始した。


 周辺は何もなかった。

 魔物もいない。辺りは爆心地から近く、今は放射能で汚染されている。


 またもやゴキブリホイホイだ。

 ではなく、奪った装置や死体を複数出して待ち受ける。


 暫く端末を見ていると遠くに反応があるのが分かるが、特に反応はない。


 50km位は離れているようなので、こちらには向かって来ないようだ。

 仕方ないのでこちらから出向く事にした。出したのを収納にいれて、飛んでいく。


 20分位で付近に着いた。


 上空から様子見している。反応は6体位だった。

 やはり何かの装置等を出している。隠密で気配を消していたが何かで遮られ中に入れなかった。バリア?だろうか、俺が触れたので警報が響き出した。警戒し始めている。


 しかし、俺のスキルを舐めるなよ!と転移であっさり中に入る。


 隠密のおかげで気づかれてはいなさそうだ。


 この前奪ったのと同じ姿格好の装置だ。

 ゆっくり降り立つが、気づかれてはいない。警戒はしているがという感じだ。


 暫く様子見をしているが良く分からない。


 装置を収納に入れるとやはり大騒ぎだ。

 先のバリアが消えたのが分かる。


 転移で上空に上がり様子見にした。

 奴らは端末で仲間に連絡をしているようで、纏まって移動を開始した。黙って後を尾ける。


 奴らは周辺を警戒しながら走っているが、マラソンランナー位の速さで、かなり速い。

 あのスーツは身体能力を、高めているのだろうか?それともタフなのか?


 そうこうしていると、一時間位走っていた時の事だ。奴らの所に飛行機が到着し、6体を収容し飛び立った。俺も後を尾けるが、俺の目一杯よりは遅く飛んでいる。5分位で基地のようなところに着いた。


 機材の数や人数からどうやら奴らの本部らしい。

 よくもまあ、これだけの資材を持ってきたなと呆れる。


 100m四方にコンテナが山積みだ。

 飛行機も数機駐機してい る。ただ、何か大きなのを、組み立てているようだ。多分ゲートの大きさの制限で、分解して持ってきたのか、元々そういうのかは分からない。

 先程飛行機についていって来た為すんなり入れたが、今はどうやらバリアーを張っている。まあ、出られるのだが。


 確か魔石に魔力を込めて眷属を生成するスキルが有ったので、使って様子を見る事にした。


 ミノタウロスの魔石にスキルを発動しながら魔力を込めると、従順な下僕となったミノタウロスが6体程出た。死体を見せながらこういう奴がいるから食い殺して、全滅させたら戻るようにと、範囲を説明して送り出したのであった。

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