エラーから始まる異世界生活

第237話 調査

　ルシテル達が調査していたのは偶々最初に向かったあの魔法陣の有った地下室のみだった。

　その為まだ他の所を見ていない。

　俺は皆で手分けして各部屋を捜索していった。特に国王の執務室や寝室とまずこの辺りを念入りに調査した。

　また書庫があり、そこにはそれなりの書物があった。まずはタイトルを確認していった が、しかしながらこれといって召喚に関連しそうな書物は見つからなかった。

　ただひとつ言えるのは王族の部屋と思われる所の寝室の布団はメイドがルームメイキングした時のままだった。街の様子や民家や宿の布団の状態から儀式は夜中に行われたのではないかと思われた。

　残念ながら城の中をくまなく捜索したが、特にこれといった物の発見には至らなかった。

　だが、念の為にこの国の国宝と思われる物を俺の収納に入れて行った。

　また城にあった書籍や執務室及び 家臣と思われる者の部屋にあった書類等を一通り収納に入れ、とりあえずワーグナーに戻る事にした。

　そこで書籍等を出して知識人や、俺の妻達に何か手掛かりになる情報がないかを確認して貰う事とした。

　そうして俺は考えていたのだが、これからこの大陸の各地を確認して回り、 召喚した者をおそらく倒さねばならないだろうと。 異世界の者がこの大陸に留まっていてくれれば良いが、そうでなかった場合が怖い。 その為に我々の大陸の方に戦力をかなり置いておかねばならない。

　その為にレニスには残留して貰い、守りの要にする決断をした。

　これは信頼のおける者を置いておかねばならない為、 元々我々の大陸での ＳＳＳ のレニスが適任と判断した。

　彼女は俺といたがったが、君が頼りだと散々頼み込み、なんとか了承して貰った。

　今日はこの後に各地の総督を緊急招集し、事の顛末を説明し、今後の対策を練る事とした。ただ、あまりに想定外の異常事態の為、誰からもまともな意見が出ずに、俺が少数精鋭で 打って出る事で決着する。 基本的に連れて行くのはオリビア、裕美、アリゾナこれだけにした。それ以外は全て守りとした。

　それと念の為、港に停泊していた船を一通り収納に入れて行った。これは万が一召喚された者が船を乗っ取り、我々の大陸に向かわれては困るからである。

　俺の中では 次に対峙するのは魔王関連だと思っていたのだ。ところが想定外の事態に俺もかなり慌てている。果たして対処できるのか ？何はともあれ、異世界から来た者を探し出さねばならない。毎度の事だが、裕美と飛行で探すしかないようだ。生き物の気配がすればかなりの確率で異世界から来た者である筈だ。

　発見次第 オリビアと アリゾナを呼んで 、異世界からの者を駆除してみようと思う。

　簡単に行けばい良いが、一体どういった物が召喚されているのか分からない状態である。

　少なくとも向こうから敵意を向けてもらって、先制攻撃させるつもりである。

　そういう話をしているとかなり遅い時間になってしまい、明日から捜索をする事とし、本日はお開きとなったのである。