エラーから始まる異世界生活

第195話 おっさんの死

　俺はひたすら戦っては足元に転がっていて邪魔な魔石を収納にいれつつまた戦うを繰り返す。

　おっさんの死体が転がっている。念の為に隙きを作り、切断された頭部を掴み収納している。

　きりがなくもう数時間戦いっぱなしだ。

　今の状況に至ったのは落下直後に遡る。

　俺はふと目覚めると、足が砕けていて、頭も痛い。腕も折れている。ヒールを掛けて、まず自分の体を治した。

　おっさんが俺を庇いつつ戦っていた。

「坊主、最早これまでだ。お主だけでも何とか生き残れ！」

　そう言うと崩れ落ち、間髪入れずに得たいの知れないドレッドヘアーの化け物に首を切断され、目の前で死んだ。

俺は信じられない光景を見てしまった。あのおっさんが死ぬのは想像出来なかった。

　俺は訳も分からず戦い、周辺の奴を倒していく。魔物のようで、倒すと魔石と、時折何かをドロップしている。

　周りを観察した。どうやら天井は塞がれ、今いるのは２０m四方位の洞窟の空間だ。

　道が一つのみあり、そこから際限なく魔物が現れる。

　魔物が魔石をドロップして消える事からダンジョンだろうなとは思っている。おっさんの脚は捻れていたから、落下時に折ったのだろう。傷も酷い。武器は俺のを使っていて、アンタレスを左手で使っていた。右腕は既に無かった。おっさんは知っていたのか知らないのか俺を守ってくれた。有りがたい。

　そうして訳が分からぬまま、ひたすら戦っていて今に至る。

　何とか、入り口に向かっている。更に１０時間が経過しただろうか？やっと奴らがまばらに来るようになり、特大のファイヤーボールを投げて、間髪いれずアイスウォールで道を塞いだ。更にシェルターを出して完全に塞いだ。これで、入っていは来れない筈だ。

　シェルターはまず壊れないからだ。これで一息つける。

　状況を整理した。

　念話しが出来ず、ゲートも無理だ。

　ステータスを確認すると、ナンシー達の刻印がちゃんとある。

　魔物は魔石を残して消えたからダンジョンなのだろう。

　先に進まないとどうにもならないのが部屋の作りで判断できる。

　食糧は妻達全員でも２ヶ月は行けるから、心配はいらない。セレナの寿命まで後５ヶ月の間に脱出出来るかが最大の問題だ。

　腹が減ったなと思い出したのでシェルターに入り、食べ物を２人分出した。

　取り敢えず腹を満たし、おっさんの体を治す。ヒールで体を繋げ、欠損修復を行った。

　そして、シェルターの入り口に付近で蘇生を開始だ。

　間もなくおっさんの心臓が動きだし、気絶する前に何とか、シェルターに入った。

　扉を閉めて、意識が遠退きつつも、何とかロックを掛けてから意識を手放したのであった。