第194話 おっさんとの再開
扉をくぐると、こたつ?に座ったおっさんが麺を食べている真っ最中だった。
「ひさしいのうこじょう!ようひゃくきたか」
食べながらいうのではっきり聞こえない。
「なあおっさん、口に物を入れて喋るなって母ちゃんに教わらなかったか?」
「うむ。ちょっと待っておれ。そこの綺麗な姉さん、悪いがそこの飲み物を取ってくれんかの」
レニスが手元にあるポットを取り、グラスに注いであげると、おっさんのちっと言う声が聞こえ、レニスが
「残念ねおじさま。ランスの言う通りね、鎧を着てましてよ。私レニスのお尻を触っても良いのはランスだけなの。めっ!」
「ほう、主が扇情か?しかしそんな格好じゃないな。着替えを要求する!」
「はあ、どこかのイメクラじゃないんだからな。そろそろ起きてくれよ!」
「そうじゃな。そろそろ真面目にするかの」
そうやって立ち上がると、おっさんは身の丈3m位のオークのいかつい感じの王者だ。貫禄が違う。
俺はそらよっとの掛け声と共に先の変化の衣を投げて
「人間を指定して身長を俺位をイメージして魔力を込めてみな。俺からのプレゼントだ」
おっさん改めヴォルガンが、衣というかマントを羽織り、魔力を込めると俺より少し身長の高い嫌味な位のイケメンが現れた。
鏡を渡してやるとふむふむと言いながらレニスを見て
「惚れても良いのじゃぞ」
「あら残念ね。ランスと会う前で私よりおじさまの方が強かったら靡いたかもね!うふふ」
レニスの方があしらい上手だった。
おっさんはあくびをし、お尻をボリボリかきながら
「さて、そろそろ出るか。ここから外に行けるでな。まずは外に出てお主の館か城に行き話しを聞こうか。ここは狭いのでな」
と奥の扉を開けて、皆を扉をくぐらせ外に出していく。そして最後に俺とおっさんの二人になり、俺は
「宜しくなおっさん」
「うむ。足を引っ張るなよ小僧」
と言い、握手をした。
その瞬間俺の頭に
システムメッセージ「エラー発生!本来いない筈の異世界の者に触れました。このダンジョンは崩壊しました」
との意味不明なアナウンスが出て、入り口が消えたどころか真っ暗で、落下感がある。夜目が利くのでおっさんを探すと俺より下に落下中だ。
「おっさん飛べないのか?」
「そうだ、不味いぞこのまま下に叩きつけられると、さすがの儂もお陀仏だ」
「ちょっと待ってろ、今行くから」
俺は空気抵抗がないようダイブし、おっさんに向かい、キャッチする。
「よし捕まえた。男にしがみつかれるのは嫌だが仕方がない。しっかり掴まってくれ」
そして飛翔を使うが重量オーバーだ。妻達は軽いから問題がないが、こいつは多分400kgは越えている。落下の勢いはかなり消したが、まだまだ勢いは消えない。
そうすると、底が見えてきた。俺は咄嗟におっさんに抱き抱えられて地面に激突し、意識を失ったのだった。
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