第186話 統一宣言と葬儀

 高校生達の葬儀を行う事になった。


 城の広間で行われる。

 死体を棺に入れ木で組んだ火葬台に並べていた。

 一人ひとりに花を添え、金貨を握らせ、目に銀貨で蓋をする。口には銅貨を置く。


 これがこの国の最上級の送り方という。


 俺が演説をする。

 葬儀と大陸統一の宣言だ。

 また国王や王族の国葬も一緒に行う。

 何度も分けてしまうと気が滅入るとの意見が多く、当然日常生活にも支障を来す。


 皆は当然の事として俺に全ての事を聞いてくる。

 政治に強い者の意見を聞いて決断をしていく。


 俺は大陸統一の宣言を行い、ルシテルを総督に任命すると群衆から歓声が沸き上がっていた。


 因にワーグナー、ボレロ、カービング、ジャックナイフの総督も来ている。

 宣言の後聖職者により弔いの言葉が述べられたあと棺が置かれた祭壇に火がくべられ城で亡くなったものが火葬されていく。


 火はオリヴィアが着けた。


 見た目もまんま天使だからだ。

 俺達は死んでいった者に別れの言葉を添え各々献花台に花を添えていった。


 殆どの者は献花をするか献花台に一礼をしてその場を去っていく。

 俺達は最後まで残り、最後は俺のファイヤーウォールで完全に焼き付くして、焼け跡に残った灰は近隣の畑にまかれる。

 そういう風習だった。


 街の状態は酷いものだった。

 ジャックナイフ酷かったが、魂食いによる被害の方が酷かった。

 人員は被害に応じて投入し、バルバロッサを一番力を入れて復興をする。

 そして各地方に配置する妻達をどうするかになり、既に嫁会議でローテーションが決まっているというのだ。


 勿論俺の意見はすべて却下だ。良い意見は参考にする程度だ。

 議長も誰か教えれくれず、結果はその時に選出された者が務める。皆仲が良い。それもその筈で、ソウルメイトは魂ガ繋がっているので上下関係も何も無く姉妹のように仲が良いのだ。ただ、取り纏めとしてナンシーとシェリーがその役を担っている。各役割も各地方由来の駐在当番以外はローテーションだとか。



 俺の強みはこの世界にない通信手段を限定的な条件だが持っている。

 刻印を持った妻から念話が届くとそこに赴くのだ。まあ昔のポケベルのような状態だ。誰からの念話かは分かるので、皆の魔力だとあっとかうっとかで終わるので、呼び出しにしかならない。


 今日は葬儀で皆疲れたので早々に休む事となり、各地方に駐在の者をゲートで送り、俺も寝る事になった。添い寝はユリアとセレナだ。日本人の死に気持ちが沈んでいるからとナンシーが決めたのだった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る