第151話 2日目は

 朝目覚めると愛する女性が傍らにいる。幸せな日常だ。

 本来はそうなのだが、残念ながらここはダンジョン内だ。


 俺は目覚めると二人にキスをし、朝食の準備に入る。

 準備といっても、無限収納から出すだけだ。

 テーブルに置くと皆が並べてくれる。


 柔らかい焼きたてのパンと新鮮な野菜サラダ、暖かいスープと、屋敷で普通に出る内容だ。


 片付けは皆がしてくれる。俺は最後に収納にしまう係りだ。これだけは代わりがいない。


 アリゾナを先頭にシェルターを出る。何もない。

 そして出口から通路へ。

 カービング同様に人工のダンジョンだ。

 今のところカービングのと殆ど同じだ。


 そう思いこんでいた。

 カービングだと、もう少し前の階層から人工のダンジョンだったから、既に違いがあるのだ。


 30階層まで順調に来ていて、ボス部屋に来ている。

 ボスはトロールだった。大剣を持ち、体長も3m少しあり、アリゾナがやりたいという。


 しかし、異変が起こった。

 数合切り結ぶとトロールは瀕死の状態で、アリゾナに最後の力を振り絞り、雄叫びと共に剣を降りかぶると、急に光り、剣を振ったのが分からなかった。

 目の前には信じられない光景があった。アリゾナが鎧共々縦に真っ二つにされたのだ。


 俺はライトソードを出して背後に転移して、トロールを慌て首チョンパして倒した。


 アリゾナは決して油断しない。

 そんなアリゾナが一瞬で真っ二つだ。何かがおかしい。


 取り急ぎシェルターを出し、食料を出して、気絶に備える。装備を外してからアリゾナをヒールでくっつける。

 そして俺はアリゾナに死者蘇生を行い意識を手放した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る