第136話  ダンジョンで

 ダンジョンに着いてから兵を戻す為に、一旦城にゲートで向かう。


 国王が兵の指揮を取れる為、ワーグナーの兵と連携をして貰うのと、兵達の休む場所の確保をお願いした。


 その後ダンジョンに向かい直す。


 ダンジョンはワーグナーで攻略したのとかなり似ていた。


 姉妹ダンジョンとしか思えなかった。地下へ向かっていく地下型ダンジョンで、恐らく30階層のダンジョンだろう。

 念の為入り口に強目のアースウォールを出して、魔物がダンジョンの外へ簡単に出られないように処置を行った。1階は岩がゴツゴツした洞窟だ。


 念の為俺とホーネットが先頭、殿に アリゾナだ。


 2階まで殆ど俺が戦う。メイベルのパワーレベリングも順調だ。

 オリヴィアにメイベルの護衛をして貰っている。

 メイベルは変わり種で、レイピアを使っている。どうやら突き特化のようだ。


 何事もなくワーグナーの時同様に進んで行き、10階にさくっと来てしまう。

 オリヴィアにボス戦を任せるも、ボスもあっさり倒してしまう。手から出た光剣の一閃で首が飛んで終わってしまった。

 まるでレーザーブレードだ。俺はついつい宇宙xxギャバンのようだなと思ってしまう。流行ったよね?レーザーブレードって響き。人はそれをライトセイバーとも言うが、俺はレーザーブレード派だ。


 ボスは、ミノタウロスの亜種だった。ドロップはドラゴニックメイルとミスリルのレイピアだ。強化を施し、メイベルの装備にする。



 今回のダンジョンは最小限の時間で攻略するつもりだ。因みに食料は一ヶ月分以上が無限収納に入っている。


 10階からは人工の壁と床にしか見えない構造だ。

 まるでウィザードリィのダンジョンのようだ。いや,ザ・ブラックオニキスか。ウツロの街が出て来て、冒険者とすれ違っても俺は何の疑問に思わないぞ!


 誰かネタに反応してくれないかな・・・・・・・・


 脱線したが、皆のレベルは多分カンストしてるのだろうな。一部のメンバーを除き、既に2回のスタンピードを経験しているからだ。


 20階までの間には時折メイベルにも戦わせている。戦闘経験を積む為である。


 20階は俺がメインで戦う事とした。先日の事故で二度目の死から蘇った後の己の力を試す為だ。


 オリヴィアを見ていいなあと思うと、俺の滾りを反映して出ました。にょきにょきと。大きいのが。肉棒じゃなく光の棒でもなく光剣だ。



 ボス戦の最中だが


「ねえねえ見て見て!俺にも出たよ!かっこいいでしょー!レーザーブレード!うふふふふ!ヒャッホー」


 俺ははしゃいだ。ボスはミノタウロスロードだが、初めて見る奴だ。本来SSなのだが俺の敵ではなかった。今の俺の戦闘力を確かめるのにレーザーブレード改めライトソードで斬りかかる。

 魔力を光る剣に変えるのだ。まさに俺向きだ。ミノタウロスの剣をまるでバターを切るように切り裂いて、アッと言う間に腕を切り裂く。高温になっており、切った所がそのまま焼けて止血されるのであまり血が出ない。


 心臓を突き刺すも、ライトソードにて焼き切るので血が殆ど出ない。これはいい。今まで返り血で結構凄惨な光景を見てきているだけに有り難い。


 まだ動くので首を刎ねて決着した。


 魔力の消費量が洒落にならない。威力はかなり有り、試しにミスリルのロングソードを切ってみると、抵抗がなく、まるでバナナを包丁で切っている位の切れ味だ。通常の武器ではまず防ぐ事が出来ない。


 常用はきついが、ここぞと言う時には十分使えるのだ。

 イメージをしっかり持ち魔力を込めるとその形になる。俺の場合さっきの戦いは剣をイメージしたはずだが、無意識だったのか日本刀、それも村正をイメージしていた。試しにあれを思い浮かべるとそういう形になった。女性陣は真っ赤である。


 アリゾナが


「我が主よ、その形は流石にまずいと思いますぞ」


 怒られてしまった。

 まあ俺も流石にまずいなとは思うのでライトソードの顕現を終わらせた。

 ドロシーにこっそり言われた


「滾っておいでなのですね。あ、あのその、メイベルに本物で刻印をしてあげて下さいね。その後私達姉妹を・・・」


 最後の方は聞こえなかった。と言うより理性が保てなくなりそうなので耳を塞いだ。戦闘後なので滾っているのだ。理性を取り戻すのにドロップを回収し、休憩をする準備を行っっていく事とした。


 ドロップはエンジェル性アーマー二着  ペアのようだ。??性?もう一度見るとホーリーエンジェルアーマー。大きさから俺とオリヴィアが行けそうだ。

 上品な全身鎧で、上品というのは大分遠慮している。神々しいのだ。


 時間は夕方なので今日はここまでだ。

 テントを出して休憩の用意を行い、一度俺とオリヴィアがドロップの鎧を着てみる。鎧を着ようとするとユーザー認証の為に血液を必要とする旨アナウンスが出た。スキルの影響だろうか?血液を1滴垂らすと


「上級天使を認識出ましたのでユーザー登録を実行しました。これよりハイエンジェル・ランスロットの所有物となりました」


「えっ!俺がハイエンジェルってどういう事だ!」


 オリヴィア言う


「今更何を言ってるの?貴方のその体付きどう見てもハイエンジェルの体よ。私もだけど。髪といい、あなたが名付けたライトソードのスキルもハイエンジェル種特有の種族限定スキルよ」



「何故だ?俺がどうしてそうなる?」


「多分私達が禁忌を冒したからよ。復活した時頭に流れてこなかった?」


「何の事だ?」


「まずね、天使は人間との性行為を禁止するというの。私に刻印を行ったのが該当するようなの。一週間の死の試練が与えられて、天使の方が、つまり私の方に試練が課せられるの。殆どクリアー出来ない内容なので、実際は処刑なのだけど、ランスのお陰で私は試練に打ち勝ったの。貴方の刻印の、真の勇者の愛が私を強くしたの。精神攻撃から身を守ってくれたのよ。それがなければ二度と目覚めなかったはずなの。そして、試練にクリアーするとハイエンジェルに肉体が生まれ変わるという物なの!封印されていた私の記憶が一部蘇ったわ」



 俺は話に着いて行けず、倒れかかるも誰かが支えてくれた。


「本来私の、天使の方から送られる魔力を受け入れられる人間はいないの。天使と性行為をすると、天使から人間に大量の魔力が送られ、体が持たず死んでしまうの。だから禁止されていたの。でもね、転移しようとする時に言われたの。禁忌を冒して貴方に愛されて、試練に打ち勝たないと天界もこの世界もいずれ滅ぶと、私達が天使の肉体を得られるかどうかに掛かっていると、僅かな望みを託すとし、送り出した者は己の命を生贄として私を転移させたの。そうしないと転移できないの。元々天使が人間界に転移する術はあったの。だけどね、それには送り出す天使の命を転移装置がというより、転移するのに天使の命を消費しないと無理なの。だから今まで一度も実行されなかったのよ」


 重い話だった。オリヴィアが転移するのに、自らの命をエネルギーとして捧げた者がいるというのだ。俺は涙を流して重圧に震えていた。


 今更だけど俺はひょっとしてと思いステータスを見てみると見れてしまった。


 名前 ランスロット

 種族 ハイエンジェル(エンペラー)

 年齢 18(45)


 ギフト 

 愛の覇者

 隠蔽(神)

 スキルマスター 7

 ・・・・・・・・

 ここまでだった。これ以上見るのが怖くて見れなかった。

 種族が変わっている。動揺しまくっていた。

 皆に言われ食事を出し寝床に引っ張られていき、左右を誰かが添い寝しつつ俺は寝ていった。布団に入った事も、誰かが下着すら着替えさせてくれたのも、覚えていなかった。勿論見張りの当番の事も何も指示をしていなかった。そして俺は深い深い眠りに落ちていった。

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