第137話 ダンジョン二日目が
俺はふと目覚めた。
何か揉んでいる。
ドロシーかメイベルを抱き枕にしているようだ。
寝ている振りをして揉み揉みして堪能していると、
「あっランスロット様お目覚めですよね?は、恥ずかしいのでそろそろ私の胸を揉むのをやめて頂ければと思います。勿論このまま刻印でも良いですが、出来ましたら、そう言う事は二人きりの方が嬉しいのです。我が儘を申し上げ申し訳有りません」
どうやらメイベルを抱いていたようだ。やらかした。
ダンジョンから出たら娶ると言っているから、完全なやらかしじゃないが、恥ずかしい思いをさせてしまったようだ。
「ごめんよ。寝ぼけてたみたいだね」
そうこしていると俺のお腹が鳴ったので、朝食となった。
気を取り直しリスタートだ。
21階層からも人工の床と壁のダンジョンで、気持ち悪い位にマス目状で、道は分岐していても最後には主要な道に戻っていく。魔物も徐々に強くなったり数が増えるが、特に特筆したものはない。
怖い位順調に進んでおり、昼頃に30階のボス部屋に来ていた。
通常の個体よりふたまわり程大きなミノタウロス?だった。
ホーネットがやりたいと言うので、やらせたら軽業師の様にミノタウロスの腕やら武器やらを伝い、頭上に辿り着くと華麗な回し蹴りを決めた。
見事に頭が吹き飛びボスを倒した。
ドロップは魔石と軽業師の鎧だ。ホーネット向けのだ。
ホーネットが
「よっしゃーこれで帰れぜー!」
そう言うと皆が労いと、帰れるねと同意していた。
そして、意気揚々とボス部屋を出るのであった。
俺が先頭でボス部屋を出ようとすると、いきなりアリゾナに首根っこを掴まれドアに引き戻された。吹き飛んだ。
「何かいますぞ!」
俺は油断していた。
しかし、アリゾナは違っていた。
確かに入り口を何かが飛んでいった。
「ありがとう」
「先のダンジョンとは何がが違いますぞ」
俺は手鏡を使い、ドアの外を確認してみる。
小さいので何がははっきりとは言えないが、魔物が居た。
俺の気配察知ではボス部屋の中からだと気配を感じられない。
アリゾナのは種族特有なのか、スキルとは違う野生の勘だ。前にもあったな。
俺は指を外に出して、ファイヤーボールを強目に出し、そいつらを駆除した。
先頭をアリゾナに変えて何かないか確認する。
床にはドロップの魔石があるだけだった。
反省しなければならない。皆は死んでも俺さえいれば復活出来る。しかし、俺は無理だ。それを思い出した。
ダンジョンの作りは21階層からと殆ど変わらない。
俺達はため息をつき、皆の顔にこの先の不安が出ていた。
「どうやら簡単には返してくれないようだな。さあ、気を引き締めて、先を進もう」
俺達は不安を感じながらも先に進んでいった。
特に誰かが苦戦する事もなく、俺達は現在80階層のボスを倒した所だ。行けども行けどもダンジョンが終わらない。
1日20階層までで進めている。
流石に皆に焦りの色が見える。
オリヴィアに聞くと、この大陸で確認されている地下型は50階が最高だと言う。
徐々に強くはなっているが、このフロアのボスは、オリヴィアを除いた
女性陣のみで戦った。しかし、あっさり倒してしまった。それほど強くないのだ。
今日はこれで野営になる。
俺は皆を集めて会議を行った。
この先どうするか、俺の意見は後で言うとして、忌憚のない話をする事にした。
「今後の事についての話し合いだ。皆の意見が欲しい。ただ、まず現状を伝える。食料は恐らく残り25から27日分位ある。現在ダンジョンに入り既に4日経った。先に進むにしても引き返すかはは食料の関係で、11日後には決断をしなければならない」
ホーネット等は楽観的で、100階で終わりだろうと。確かに俺もなんとなく感じている。
ドロシーとメイベルのみ、食料が尽きるまで進もうと。
中には俺とアリゾナの二人が先に進み、残りが引き返すと言うのも有った。
俺は決断した。
「意見をありがとう。決断したよ。俺の個人的な意見は多分100階で、明日で終わると直感として感じている。勿論根拠はない。終わらなかったら食料が最も間はぎりぎりまで進み、11日後に引き返す。残念だが引き返すのも勇気だ」
皆頷いた。俺を頼ってくる。既に純粋な近接戦闘力ではアリゾナの方が強いし、膂力も上だし、見た目も 奴の方が迫力がある。
しかし、彼は俺の守護神であり、リーダーではないとこの手の決断を避けている。
場合によっては総督を引き受けて貰おうかと考えたが、彼の希望は俺の近くにいたいと言っていた。
明日は大変そうなので、早目に寝る事にした。
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