第106話 新居とクロエ

 ギルドに着いて直ぐにギルドマスターの部屋に行き俺はクロエを問い詰めたのだが、あっけらかんとして

 

「あらあらアリアとロトナのこの国のふた粒の至宝も既に落としたのね。流石ね。アリアにロトナおまけにドロシーを含めた三宝姫だなんてやるわね」


「やるもなにもクロエの仕業なのは分かってるんだよ。それにアリアは分かるがロトナにそんなふたつ名は勿体ないぞ!」


 と言うとロトナが口を膨らませて拗ねていたがかわいいなとときめいてしまった。多分言っても仕方がないのでクロエに屋敷の購手続きと何時から移るか相談するのとギフトが遂に判明したと報告をしたら


 大事な話として、応接室に俺とクロエ以外を待機させて二人きりになるといきなりキスをして切実なお願いとおねだりされて、ついつい了解してしまった。


 年齢的に待ちたくない。嫌いじゃなければ今晩約束通り新居での初日に初夜=刻印の儀式をと艶やかに言われ我慢出来ず、激しくキスと思わず胸を揉みしだき、クロエの髪が鼻をこすりくしゃみが出て我に帰って続きは夜となった。


 クロエの妖艶さにいつもたじたじな志郎であるが、実はクロエの方がテンパっていて、普段の態度と妖艶なな雰囲気とは裏腹にウブである。


 ギフトの事は夜儀式の後で聞きたいとなり、知らずにいたいという。実はもう今晩の事で恥ずかしくてそれどころではないのがしんじつで、格好付けて尤もらしく繕う辺りいじらしくもある。


 周りに話すのも話を聞いた後でとなり、ユリアの事と三人の事と、見えた幻影を伝えると、隠さずに国王に伝えるべきとなり、アリアに会談の場を設けるようにお願いする事とした。単に今は考えられないのでアリアに押し付けただけだが、志朗は志郎で今晩のクロエとの事で頭がお花畑なので、物凄く有難い助言を得たとクロエの株が益々上がっていたのである、


 三人のパワーレベリングの為の初心者ダンジョンに入りたいと言うと、実はクロエもオリヴィアも入っていないと言うのでレベルリセットして、俺とセチアを含め入れば問題ないし、ボス部屋も一度に8人まで、しかも経験値は人数は関係ないというので、ただ居るだけでレベルが上がるというので、ユリアとアリア達、購入奴隷など俺の関係者のみで臨時研修開いてくれるのでやはりクロエは頼りになる。


 応接室の皆を呼んでアリアに国王との面談をお願いし、屋敷のお金の支払いと手続きを行い正式に譲渡されたので今日は解散とし、明日屋敷に移り2日後に初心者講習を開いてくれる事となりイベント満載だった。アリア達三人に聞くとこれで三人は俺の所有物だからこのまま押し倒しても良いとロトナが言うのでデコピンを喰らわせたのだ。


 お開きとなり王女達を転移ポイントにさせて貰っている場所にゲートを開くと三人共にポカーンとして驚いていて可愛いなと思い、お別れのキスをしていったが、そう、またやらかしてました。三人共にファーストキスを味気のないものとしてしまっているのだが、三人共にキスをされた事に気がついていないのが幸いだった。


 そのままオリヴィアを伴いアレイ殿の屋敷に戻りセチア達と合流した。

 セチアとメイドさんに教えて貰った寝具店に向かい新居で使うサイズの合う布団とシーツを急ぎで購入し、セチアのみを伴い新居に行き、セチアを案内した。そして熱いキスをして、幸せにするよと改めて抱きしめた。

 そして俺の部屋から一番近い部屋を自分の部屋に選んでいた。セチアの布団は確保したので入れ替えて、居室の布団は一部布団のない部屋や使用人部屋や屋敷の別棟の布団と入れ替えても良いと考えた。以前の住人が使っていた布団だが、俺の恋人にはせめて布団は新品にしたかったが、元々程度が良いので捨てるのは勿体ないのだ。


 俺の寝室の布団は新品だったので幸い入れ替える必要がないが、かなりの部屋は入れ替え対象だ。


 一通り屋敷内を案内し終えるとセチアは


「ランスのお屋敷なんですね!素敵です。こんなに幸せで良いのでしょうか?」


「うん。俺が生きているのはセチアが蘇生してくれたお陰なんだ。だからセチアは幸せになる権利があるんだよ。明日からこの屋敷での生活になるんだよ。奥様」


 顔を赤らめるセチアが愛おしかったのでまた抱きしめていた。

 二人で風呂を掃除してみた。流石に広く苦労したが多分二度と俺が掃除する事は無いのだろうなとセチアと確認しつつ、二人で一つの事を行った満足度は格別だった。


 夕方になっていたのでアレイ殿の屋敷に戻り、皆に今後の予定を説明し、夕食を食べさせていた。


 俺はクロエとオシャレなレストランで二人きりのディナーだった。クロエはセクシーなドレスだが清楚な淑女だった。

 夕食後に本来は登ってはてはいけない城壁にゲートで行き、誰もいない夜景が綺麗な中で甘い一時を過ごし、先日買っていたネックレスを出して改めて結婚を申し込み、涙で目を腫らしたクロエにネックレスを付けてあげた。

 泣きじゃくるクロエは普段無理をしているのが分かっていたので、


「俺の前ではただの女、クロエと言うただのかよわき女で良いのだからね。愛してる」


 熱いキスをしていると、兵士に気付かれたようなので慌ててゲートを出して、誰もいない新居に着いた。


 一緒に風呂に入り、清めの儀式をせがまれたので丁寧に洗い、お姫様抱っこで寝室に連れていったが、鼓動が早く大人しくしおらしくしていて緊張しているのがよく分かった。

 綺麗と言うよりも少女のような可愛らしいレデイだった。

 いよいよその時が来たが、改めて真の勇者による刻印を刻むと普通の人生を送れないよと念を押したが俺と人生を歩む覚悟は既にしていると言い、

 それは丁寧にじっくり刻印の儀式を行い、一つになった満足に酔いしれながら眠りに落ちていったのだ。

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