第97話 オークションの下見
三人で奴隷商に行くとクロエを見た職員が慌てて中に戻ると、更に慌てている主が出てきた。
「これはこれはミスクロエ 、本日は如何されましたか?」
「久しいなドホルザーク。今日は私の夫となるS級冒険者を連れてきたのよ」
「御初にお目にかかります。当王国公認商館のドホルザークでございます。以後お見知り置きを」
握手を求めてくるので、普通に握手を交わし
「S級冒険者のランスロットです。こちらこそ宜しくお願い致します」
「これはご丁寧に。本日のご用件は?」
「今度のオークションの奴隷と欠損奴隷で強い奴がいないか見に来たんだ」
奴隷商は頷くとついて来るように促して何故か女性奴隷の方へ連れて行くのだが、やはり綺麗な女が多くオークションの性奴隷想定の者だと思い
「女性は間に合っているから戦闘奴隷を見たいんだ」
「わかっておりますよ。ここはわざとこの者達の前を通らないと辿り着けなくしてございます。目移りして購入意欲を掻き立てるためでございます」
というと戦闘奴隷の所に着いた。
「最近出現したダンジョンに入りたいのだが、それに同行可能な奴を探している。特に前衛が欲しいんだ。回復と魔法は俺で間に合っているのでね」
「ではこ奴らではどうでしょうか?」
ざっくり見ると気になるのが二人おり、そのうちの一人がかなり屈強な奴で、何か違和感があった。よくよく見るとヒューマンではない事が分かる。それは鱗が見えるからでドラゴニュートという種族だった
俺の鑑定系の能力は封印されているようで残念ながらステータスは見れない。
セチアの場合は隷属契約者の主には見えるので、封印とは別能力で見えているようだ。
クロエ達の場合
【仮称:スケコマシ】の能力で男として気になる女性の情報が見えている。
奴隷商人に試したり、一般人の女性では見えなかったからそう結論づけていた。
もう一人は獣人で狼系だろうか。人狼族と言うのでこの二人と面談する事にした。
女の屈強なのもいたが顔付とか、体付きが生理的に無理だったのでスルーしたんだよな。
念の為奴隷商に聞くも戦闘奴隷とはいえ異性であれば男としての能力があるうちは刻印を刻む義務があると言うのだ。
俺にはとても無理と言うとクロエは満足して笑みを浮かべていた。
それ以外の奴隷は筋肉ムキムキで強そうだが、これといって特筆しているポイントがないので商隊の護衛程度の強さのようだ。
面談の準備をしている間に欠損奴隷を見せてもらう事にして連れて行って貰い見ていく事にした。
戦闘系が欲しいと伝えてあったが、居るところには居るものだ。
屈強で両腕がないのが何故か居るので聞くと、屋敷の連絡役位は出来るのと、男娼として安い奴隷を買う奴も居るので値段さえ低ければ大抵は買い手が着くそうだ。
彼は戦隷で敗戦時に殿を命ぜられ、主達を逃がした所で捕まり、捕まえた兵士が腹いせに両腕を切り落としたという。金貨10枚だ。
次に両脚が膝から下が無い屈強な者で、義足を付ければ辛うじて歩く事は出来るので店番位を想定している。
元冒険者で貴族と喧嘩になり奴隷落ちとなり、買われた先で護衛をしていたが、移動中に魔物か獣の群れに襲われて、その場に踏み止まり主を逃がせと命ぜられてその場から動けず、何とか全滅させるも脚が食いちぎられていた強者だ。貴族との喧嘩も町娘を強引に屋敷に連れ帰ろうとしているのを止めた為だという。
他にも10歳の女の子と12歳の男の子の兄弟が各々右腕を切り落とされて居るのと右目を潰されていたのがいた。
貴族の子供で親類が反乱を起こして失敗して一族徒労全て処刑も幼い二人は片腕と片目奪い奴隷落ちとなったそうだ。二人で金貨60枚
クロエが俺を脇に引き込み
「あの兄弟何とかしてあげられないでしょうか?不憫で・・・・」
最後まで言えんかったようだ。
「うん屋敷のメイドに良いかな。流石に10歳の女の子と刻印を刻むのは勘弁してね。だからあの子達は女の子の方が16歳になるまで俺の所の奴隷として保護し、16歳になった時に自分の身を買い戻させて、その後どうするか決めさせれば良いかな?それとメイドか執事出来る人を探してこの子供達を教育しないとね」
クロエは泣きながら何度も頭を下げるので激しく揺れていた。そうわっさわっさと。
そっと抱きしめて
「クロエは優しいね」
と言い執事が出来そうなと言うよりしていたが目を潰された男と、その妻もいた。二人ともメイドと執事だったが、仕えていた家が先の子供と同じ理由で雇われていた屋敷が反乱軍として国軍に攻められた時に戦いに巻き込まれ妻は左足と両目を、夫は両目と右肘より先を失い、関係者として奴隷落ちになったそうだ。
この6人を買う事として、面談の準備が出来たオークション奴隷にの待機する面談室に向かったのだ。
二人同時だったが問題なさそうでダンジョンは興味があるようだ。落札すると言っておいて俺がS級でクロエがギルドマスターと伝えると驚きと安堵をしていたが、最終的に俺の所有になってから詳しく話すがボレロに向かうと伝えると頷くだけで気の所為か喜んでいる感じだった。
欠損奴隷を受け取りこの後どうするか悩んでいたが、そういえばいつの間にオリバーが居なかったなと思っていると、馬車を連れて戻ってきていた。
クロエをギルドで降ろしてオリバーを連れて服屋に行き、俺が取り急ぎ今着る服を買ってから屋敷に着いた。
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