第68話 刻印を

 寝室にて考えに浸っているとクレアが訪ねてきて奴隷の部屋に至急来るように言われた。


 俺は何事かと寝巻きのまま焦って向かった。ベッドに皆が寝ていたが、ミザリィだけはベッドに座って深々とお辞儀をして、


「先ずは私からになりますが刻印の儀を宜しくお願い致します」


 と言うので、クレアを見ると頷いた。

 ベッドの並びは儀式の順番だった。


 俺はミザリィをお姫様抱っこで部屋に連れていき、良いのかを改めて聞いて頷いたので、キスをしてから、刻印の儀を執り行い、ミザリィを傍らに暫しの眠りに着いたのだ。お姉さんチックな所があるが、女らしい女で有った。


 day25


 何故かちゃんと四時間で目が覚める。

 次は夜中だが獣人娘のアンバー。ちゃんと大人だった。

 ついでレジアナ。驚きの膜再生で、俺が刻印主となった。

 朝8時頃に起きて遅い朝食を皆と食べた。皆待っていたのだ。失敗だ。待たずに早く食べるよう指示するんだった。反省!


 一旦刻印の儀式を中断した。刻印組は馬車で冒険者ギルドに送った。

 対応をナンシーにお願いした。

 人数が多いので特別に初心者講習を2日後に開いてくれるという。


 手続きを行い引き上げて、刻印の儀を終えた者と、次の刻印の儀のミアプラを伴い俺は帰り、他の者は買い物である。

 シェリーに新人奴隷について1人当たりにつき下記のお願いをした。

 靴屋で冒険用と普段履きを一足買う

 採寸して冒険用、普段用、ドレス用をオーダー

 服屋で下着数着、寝間着、普段着3着、冒険用2着を購入

 採寸してパーティー用のドレスをオーダー

 防具屋で皮鎧を買う

 武器屋で魔鉱石の短剣を人数分

 強化済みのロングソード2本を売る


 こんな所だ。

 これらを買うのに必要なお金を渡して昼食もお願いした。

 昼にはアイギスを屋敷に戻すようにと一通りお願いをしていた。

  

 ドレスの事は反対されたが、いつ皆をパーティー等に連れて行くことになるか判らないから、その時に持っていないと奴隷の主人で有る俺が恥をかくから俺の為だと思い作って欲しいと納得させた。


 屋敷に帰ったら風呂に入り、準備ができたらミアプラを迎えに行き寝室に連れて行った。つつがなく刻印の儀式を終えた。昼過ぎに目覚め、遅い昼食をミアプラと帰ってきたアイギスと食べた。


 アイギスは着替えに部屋に行ったので頃合いを見て部屋に迎えに行く。34才とは思えない美しい姿で、大人の魅力にどきどきするものの寝室に連れて行き、刻印の儀式を終えた。やはり膜が再生されていて、刻印主が俺に変わった。アイギスも大層驚いていた。大人の女性も気品があり良い!


 次がセッカ。俺の夕食が変な時間になるので、俺抜きで全員が食べて、俺のとセッカのは執務室に置いておくように言ってある。


 セッカの儀式を終え一休みした後は貴族の娘サラである。

 夜21時頃だ。

 問題なく儀式を終えて休んだ後1時頃に最後のウリアである。実は今回の一番の楽しみです。見た目は文句なし。

 それは丁寧に刻印の儀終えました。


 day26


 朝7時頃に目が覚めると

 ウリアが隣で寝ていた。

 金髪のオッドアイで俺が再建させたとはいえ、セリカにも劣らない外観である。

 クレアの予知に従って良かったとつくづく思う。

 ウリアを暫く眺めているとようやく目覚めて朝の挨拶を行う。

 正に美の女神だった。


「おはよう。刻印の儀以外で体に違和感は無いか?」


「ええ大丈夫ですわ。私のような奴隷でもお気にかけにかて下さるなんてやはり紳士なのですね。私のお味は如何でしたか?」


 大人の余裕かな?


「うん素晴らしかったよ。とろけそうだった。昨日は本来なら君はこの世から居なくなるところだったんだよな。危なかった。君はあり得ないくらい素敵だったよ。救えて本当に良かった!綺麗だよ」


「フフフお上手ですわね。さすがにあれだけのハーレムを築いているだけの事はあるのですわね!」


 布団から出て改めて正座からの前に手をつくお辞儀で


「この命お救い下さり感謝を致しております。どうか子を産ませて下さい。」


 といきなり子供が欲しいと言い出す。ちょっといや、かなり引いた。


「どうしたの?」


「私以外の一族全ては処刑されており既にこの世におりません。私だけが奴隷として生き延びました。それも昨日までの運命だったのです。これはわたくしの我が儘です。自分が死んだときに、自分の血を残せないのは良いのですが、一族の血を全て途絶えるのが悔やまれて仕方が無いのです。」


「分かった。前向きに考えよう。ただもう暫く先だ。俺が子をなす覚悟がまだ出来ていない。父親になる覚悟ができるまで待ってはくれまいか」


「勿体ないお言葉。いつでもお待ちしております。愛しのランスロット様。しかし貴方は18才と言いますが嘘ですよね?」


「嘘も何もこの体18に見えないか?」


「ええそう言う事では無いのです。魂の事です。貴方は18才にしては老成しすぎております。魂の年齢はわたくしよりも上でございましょう?」


「驚いたな。こちらから話す前に見破られたのは初めてだよ。貴様何者だ?」


 と語気を強く言ってみると


「只の没落貴族の奴隷落ちの生き残りに過ぎません。強いて言うなれば16までは貴族暮らしでしたから、権力者とのやり取りを観察する機会が多く違和感を感じ取れたのかもですわね。」


「済まなかった。語気を強めて。如何にも俺は異世界からの転移者で転移前は45歳だ。」


「やはりそうでしたか。気をつけた方が宜しいかと思います。わたくしよりも鋭い者は多いですし、何人かは気が付くと思います。それも気が付かれたくない者程鋭いですからね。」


 と警告を貰った。この子体抜きで大当たりだ。奴隷にならず成長すれば女帝に成れる器だったろうな。


 暫く見つめ合いキスをしているとノックがして朝食をどうするか聞いてくるので、すぐに行くと答えた。


 そしてウリアを伴い朝食に出掛けた。

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