第32話  ボス部屋と奴隷オークション

 俺達はさてどうしたものかとボス部屋を前に立ち止まっていた。

 誰から行くか決まらなかったのだ。


 仕方がないので、又もやシェリーを先に行かせ、終わったらボス部屋の外で待機だ。

 2分位で扉が開いたので次のナンシーを見送るが3分位で終わり扉が開く。俺は間髪入れず向かった。

 出てきたのはゴブリンジェネラルで、強さは通常の個体の三倍程度と大した事はない。面倒くさいので転移して首チョンパである。

 統率をゲットした。そしてドロップは、装備してると魔力回復が少し早くなるブレスレットだ。


 回収が終わると一枚のカードが出てきた。確認すると福引券のようだ。そう言えばナンシーがそんな事言っていたなと思い出した。出口と思われる扉が開いたので、隣の部屋に行くと二人と合流出来た。

 

 そこから更に小部屋への入り口があり、小部屋に入ると祭壇と福引きを回す福引きマシーンが有った。

 ここで報酬が決まるようで、福引きマシーンにカードを入れると福引きが回す事が出来るとナンシーが教えてくれた。


 運が良いとかなりレアな武器やスキルを貰えるらしい。

 先ずはシェリーが挑戦となり、マシーンを回すとビー玉位の小さな珠が出て来て、シェリーが手に取ると『ポン』と音がして一枚のローブのような物が顕れた。


 鑑定すると守護者のローブで、耐魔法防御力が高く50~70%の威力をカットするローブ。

 続いてナンシーはドラゴニックメイル。軽量で、ドラゴンの皮から作られた皮鎧。装着者の体型に合わせて形状が変化する。 

 そして俺はと言うと、奴隷引換券はどんな奴隷でも、販売している限りこの引換券で引き替える事が出来る。


 ナンシーによると必要に迫られていたり、強く要望している物を入手する事が多いんだそうだ。

 俺のはどうなんだろうか微妙かな。


 ナンシーの場合は何となく分かる。鎧を買おうにも胸の所為でサイズが良いのがなく、仕方なく恥ずかしいビキニアーマーに成ったんだって言ってたな。

 シェリーは分からないけども。


 取りあえずこれで終わったようなので部屋を出るとダンジョンの入り口に転移されてきた。


 色々と今後の事で怖い内容だったけど、当初の目的であるナンシーのパワーレベリングが終わったと言うより、上がりすぎて凄い。

 俺のレベルも多分ジェネラルで上がったんだろうけど、現在はSかSS位の能力なんだろうな。


 俺は血を流しすぎたようで、かなり体がだるい。俺も鎧を何とかする必要が有るなと反省した。

 戦闘スタイルは片手楯剣がかなりしっくりきた。


 疲れたので今日はもう帰ろう。


 宿について先ずは着替える事になり、ナンシーの装備は俺が預かる事にした。まあ普段から短剣だけは身につけてると言っていたので、良い短剣を新調してあげよう。


 ナンシーとシェリーは共に俺の前で、普通に着替えている。冒険者の関係での着替えは色目で見ない不文律があるが、俺は2人の躰をまじまじと見た。それは純粋に戦闘について考える為だ。

ナンシーはかなり鍛えられていて、細いけど無駄が無くステータスにも反映されているようだ。シェリーはまだまだ肉が足りておらずもう少しで本来有りうる姿になりそうだっだ。


 二人は取り急ぎ冒険者の服から普段着に着替えて、体はクリーンをかけて清潔にだけはした。

 まだ時間は15時位。そう言えば1日は約24時間なんだよね。偶然なのか24時間3分位っぽい。幸か不幸か俺の時計の誤差の関係でどんぴしゃになっている。


 ふと思ったのだがシェリーが元々売られようとしたのはオークションって言ってたはずだから、オークションについて聞いてみた。

 月に一度目玉になる高級奴隷を、オークションにて売り出すんだそうだ。因みに今月は明日開催で、通常展示期間が有り概ね1週間位。シェリーはそれに向けて連れてこられたんだな。

 そうじゃないのや早くお金にしたいのは、奴隷商で売っているんだそうだ。

 見に行こうかと言うと


「私達が居ると気が散って満足に見れないでしょうからお一人でどうぞ」


 シェリーとナンシーはこれから買い物に行きたいと言う。俺もと言うと下着も買いたいから、男性同伴は無理と却下されてしまったが俺は鎧を含めて冒険者の出で立ちで一人寂しく向かう事にした。


 先ずは奴隷商に向かう。今回は手持ちのお金の全てをつぎ込んでも、未換金の魔石を売ればかなりの金額になるので大丈夫だろう。


 俺は期待と股間を膨らませ奴隷商に向かった。

 奴隷商はサーカスのテントのような大きいテントで、かなり目立つ。そこがオークション会場だそうだ。

 テントの周りを建物が取り囲んでおり、奴隷商の玄関に入ると中高年の燕尾服を着た男が出て来た。


「ようこそ王国公認アルバニア商会へ。ランスロット様本日はどの様なご用件で?」


 彼は名刺を渡してきた。どうやら彼は奴隷商の主で俺の名前も何故か知っている。


「明日のオークションに参加したくて来ました。私の事をよくご存知ですね」


「何を仰いますか。あのナンシー嬢の心を射止めた方としても、もの凄いスピードで登録から僅か1週間でA級に昇格した冒険者としても有名ですよ。先ずはご案内致します」


 主案内で奥の建物に向かって行き、入り口で武器を預けて引換証を貰う必要があり短剣を預けた。


 普通は主自ら応対はしないのだそうだが、俺は有名人で特別扱いだとか。

 高額な奴隷だと5千万から1億になる事も有るんだそうで、俺の要望を聞かれたので女奴隷で、出来れば戦闘も可能なのが良い。気に入ればハーレムに加えるし貴族が手放した屋敷を購入するのでメイドも欲しい等だ。

 今回はオークションに掛けられる女性の高級奴隷は8人で本来もう4人居たそうだが盗賊に襲われ死んだと言っていた。


「その盗賊を討伐したのは俺だよ。隷属の首輪を着けられた若い女が殺されていたのを見たよ」


 と言うと知っていたそうでかなり有名な事件らしい。

 お金は懸賞金が有るという事も知っていたので、嘘や隠し事は出来そうに無いな。


 今回の高級奴隷は地方や他国からの奴隷に成るそうで、護衛が付いている。展示スペースに行くと二畳位の大きさの牢屋に入れられて白いワンピースを着ていた。

 一人一人紹介してくれた。

 今回の目玉は16-18才で全員処女。

 貴族の元令嬢から戦災孤児など色々ある。

 全てヒューマンで美人揃いだとの事。希望があれば二人までなら個人面談可能でこれは何処の貴族も王族も同じだそうだ。

 ここでは番号で呼ばれていて、牢に番号札が掛けられている。俺はメモを取っていた。

 1 18才 80-54-82 没落貴族の令嬢 奴隷歴2年 金髪碧眼  性奴隷にしか見えない。顔は奇麗だが能面

 2  17才 79-52-80 破綻した商人の娘 奴隷歴3年 赤髪ショート 特技 計算と交渉 性奴隷にしか見えない 美人だが少し顔つきがきつい

 3  16才  84-52-84 ブロンドセミロング 奴隷歴8年 特技水魔法と料理 農夫の娘 飢饉で口減らしにされた。温厚そうな可愛らしい感じ 魔法使えるのと料理はポイント高い

 4  18才 83-54-82 元騎士団所属 黒髪碧眼ショート 敗戦国の女騎士 特技 槍術 斥候 戦闘奴隷向け 顔はきりっとした二重の美人、男装が似合いそう 聖魔法を使える 奴隷歴4年 こちらの姿を見て値踏みしている 

 5  16才  77-52-80 白髪ロング 敗戦国の神官 奴隷歴5年 聖魔法 薄幸美人 こちらと目を合わそうとしない

 6  17才 92-60-88 金髪赤目ロング けしからんスタイル 奴隷歴4年 元盗賊 斥候とナイフ 粗野な感じだかかっこいい系の美人

 7  16才  80-54-81 赤髪ポニーテール 犯罪奴隷 土魔法と火魔法 毒入り薬を売ったとされる 利発そうな学級委員的な雰囲気のカワイイ系

 8  17才 85-53-84 金髪オッドアイ ロング 奴隷歴10年 片手剣、火魔法 水魔法 調理 戦争孤児 元商人の娘 世間知らずなお姫様チックな顔つき 儚げな美少女


 中級も見せて貰ったが戦闘に耐えられそうのはいなかった。


 オークションに関係の無いのも見せて貰うも、目が見えなかったり、部位欠損の者も居るし、美人もいるが状態は厳しく店の中の高級なのを見せて貰ったが、性奴隷ばかりなのでオークションが終わったらじっくり見たい。


 4と8を面談する事に決めて冒険に同行して前線に出ることが可能か、どれ位の強さか確認するが2人とも問題なさそうで俺がA級冒険者と説明しておいた


 奴隷商人に予想金額を聞いたら4が4千万  

8が3千万位と

 一番高いのは1で8千万位と

 奴隷引換券について聞くともの凄く驚いていた。ダンジョンでゲットしたと伝えたら使い方を教えてくれて、オークション中にチケット使用を宣言するだけだそうだ。


 明日のオークションに来ると伝えて引き上げた。

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