第28話 ただいまと新たな奴隷契約
街に着くと屋台で少しお腹を満たし真っ直ぐギルドに向かった。
直ぐナンシーの所へ行く。
「ただいまナンシー」
と声を掛けると、ナンシーはきょとんとした感じで
「意外と早かったんですね。お帰りなさい。」
と返してきた。そのまま一緒に二階へ向かう。
ナンシーは後ろ手にスカートの中を覗かれても下着が見えないようにしていた。
「うふふ、こうすると見えないでしょ」
ナンシーはどや顔である。見えなくなって残念に思う気持ちと、ナンシーのガードがちゃんと固くなって嬉しい気持ち…喜びと無念が俺の胸にあった。
二階に着くとナンシーは先ずシェリーの服に目をやり、その後俺の服を改めて見て青ざめた。ところどころ穴が開いているし、ズボンもぼろぼろだったからだろう。
「うううう」
と唸りながら俺の体をベタベタ触り
「だ、大丈夫なの?」
とかなりの慌てようだ。しかも手が息子に強く当たってしまった。
「うっ」
思わず声が出るほどに強かったから、ナンシーも気が狂わんばかりだったのだろう。
「あのなナンシー、心配してくれてるのは嬉しいんだが俺もシェリーも怪我は無いから」
説明しつつ宥めると、散々触っていたナンシーもその言葉が本当だと分かってくれたようだ。
「もう心配させないで下さいね!」
と涙を流した。
俺は自らの配慮の無さに後悔した。ナンシーに早く逢いたい一心で急いで来たが、宿で着替えてから来るんだったと反省した。ナンシーを抱き寄せ軽く挨拶のキスをし
「改めてただいま」
改めて無事の帰還を報告すると、いつものように手を後ろに組んでの満面の笑顔で
「2人共お帰りなさい」
と労ってくれた。やっぱり可愛い。
その流れでざっくり依頼内容に対する報告を行う。
キングとジェネラル、オーガの死体を持ち帰っていることも伝えると、
ナンシーは慌ててギルドマスターを呼んでこようとしたので、まだ報告することがあると引き止めた。
今まで知らなかったが、無限収納が封印されていていたようで、封印解除の条件を満たした為急に使える様になった旨を伝える。ナンシーはとても驚いていた。無限収納持ちは国宝とされるレベルの貴重さなのだそうだ。
報告は以上だ、と頷くと、ナンシーはギルドマスターを呼びに行った。
「私の目に狂いは無かった。ヨシ!」
部屋を出ながら小さくガッツポーズしていた姿は可愛かった。
ナンシーからの報告に慌てて部屋に入ってきたギルドマスターへ、もう一度同じ説明を行う。
査定も兼ねて、解体場所で今回持ち帰った死体を出す事になった。
オークを含め、回収した死体を全て出す。討伐証明もかなりある。魔石は魔法使いのゴブリンと一部オークの分、ジェネラルの分以外は出した。
ギルドマスターは目を剥いていた。
「これは驚いた!ひょっとしてお前さん転移者か?」
こちらからの要求として、オーク以外の魔石は欲しい旨を伝え、それ以外は買い取ってもらうようにした。無限収納の件は他言無用で、もし外部に洩れたら俺はこの国から逃げ出すと釘を刺しておく。
詳しい話をするために一旦ギルドマスターの執務室に行き、再度今回の状況の詳細を説明した。すべての事情を聞き終えるとギルドマスターは、
「理由は分からないがオーガが増えている事、ゴブリンはキングが出た以上大規模な集落が複数出来てしまっているだろう事は理解した。
オークもジェネラル種が居ると言う事は、こちらも集落が複数作られていると判断せざるを得ない。
又は、未発見のダンジョンから湧き出てきているか。
引き続き、侵入制限を掛けるべきだな。
しかしお前さん達、よくオークジェネラルとゴブリンキングを倒せたな。
どちらも普通はA級冒険者がパーティーで討伐、それも複数パーティーを組むのが推奨な相手だぞ。それをたった2人で倒すとは。参ったな」
と呆れていた。
今回の討伐と調査結果で、俺自身とパーティーのランクがAに、シェリーのランクはBに、それぞれランクアップが決まった。それだけではなく、今回の依頼はパーティーとして受けたためパーティーメンバーは一律ワンラックアップされるそうで、もれなくナンシーも、何もしてないけどランクが上がっちゃう事となった。
ギルドマスターからの指示書にも、パーティーランク及びパーティーメンバー全員のワンランクアップを行うように、と、しっかり記載があった。
諸々の指示を出し終えると、ナンシーに後を任せてギルドマスターは出ていった。
買い取り金額は 討伐証明がゴブリン 30匹 3万 オーク41匹分 20万5千 オークジェネラル 120万 ゴブリンキング 210万 オーガ 3匹で6万
魔石 ゴブリン 19個で1万9千 オーク9個で 7万2千
肉はオーク9体で9万 オークジェネラル18万 ゴブリンキング3万 オーガ3体で3万
以上で 392万6千G
依頼達成金額が48万G
合計444万2千G ウハウハである。ナンシーにも1割が入るから凄いの一言。専属契約嬢も大概である。
今回の報酬の半分を、シェリーに個人の取り分として渡そうとすると拒否された。奴隷だからと。取り敢えず、生活費は全面的に俺が出す事を伝え、その上で何かの時に俺がお金を降ろせないと困るから、と、無理やり200万を預ける。何かあったらここから使うように、と厳命し、更にシェリー個人の小遣いとして20万Gを渡した。
個人の取り分としてではなく小遣いとして渡してもシェリーは遠慮してきたが、年頃の女の子だしお化粧や何やらいるから、と強引に押し付けた。
ナンシーはそのやりとりを見てシェリーを部屋の隅に連れていき、俺に聞こえないように何やら話をし、シェリーを上手く頷かせてくれた。漏れ聞こえて来た内容の中には、下着がどうの、男性はどうの、といった気になるワードが含まれていたように思う。
どうやらナンシーがシェリーにお小遣いで買い物をさせる事にしたようだ。お金の使い方に関しては、主人の俺がどうこう言うより、女性同士で教えあう方が良いだろう。
報酬の分配の話題を終えると、次はナンシーと話しをする事となった。いくつかの話と相談しておきたい事があったのだ。
その前に、とナンシーは、家についての話題を出してきた。
既に不動産屋と打ち合わせをしていて、候補を3つに絞ってくれていたのだ。
1 貴族の愛人の為の邸宅 2階建てで部屋数は7部屋。内装が豪華、家具付き この愛人の浮気で愛人は貴族に殺され売りに出された 価格1億6千万 貴族街にあり
2 没落した貴族の邸宅 3階建て 部屋数も20程で貴族の屋敷としては小さい。敷地の広さは文句なし。借金のカタにされており家具など一切無い お風呂はそこそこ豪華 質実剛健的な佇まい ギルドからもほど近く、貴族街に近い高級住宅街 1億7千万 但し専用の調理人が調理する厨房は無く、一般人のようにキッチンで調理する
3 豪商の別邸 奴隷商人の奴隷を教育していた邸宅 かなり旧いが20部屋以上で面積も広い。郊外に有りギルドからも商業地からも遠い閑静な場所にある。違法奴隷の摘発で奴隷と共に没収された。1億2千万 但し多数の死者が居た為買い手が付かない
各々間取りを見せてくれた。
俺は2番目が良いと思った。観にいけるか聞いたらこれからでも行けるのだそうだ。
不動産屋はギルドの直ぐ近くとの事だし、話と相談は後にして、先ずは物件を見に行くことにした。
不動産屋へ行く前に、俺は宿へと着替えに戻った。ナンシーとシェリーは、今後の打ち合わせを行うとの事でギルドに残った。
俺はテキパキと着替えギルドに戻り、3人で不動産屋へ向かう。
俺が着替えに戻っている間に、無事ランクアップ手続きは終わっていた。
不動産購入も専属受付嬢の対応範囲の為、ナンシーも堂々と伴に出て行ける。
不動産屋へ行き、不動産屋側の担当のスタッフの方と4人で現地を見に行った。
外観は可も無く不可も無くオーソドックスな邸宅
中を見ると1階はエントランス、応接室二つ、大浴場、トイレ(各フロアに有り)使用人控え室、倉庫、二階が倉庫、トイレ、洗面所、客間兼一般居室18部屋
3階が主人の執務室に、寝室、書斎、リビング、キッチン、居室4部屋、小浴室、客間2室となっている
一通り確認するも問題なし。立地も良くシェリーも気に入ったようだ。但し家具が無いから、がらんとしていて淋しい。
庭には馬車の車庫や馬の為の厩舎と来客用の一時馬車置き場もあった。
問題なのはお風呂場。水は上水道が完備されているがお湯。俺は問題なさそうだが、宿に有るような魔石か魔力を流すタイプ。まあこれは当面俺が風呂の準備を担当するか。
2人にもう一度ここで大丈夫かと聞くと、シェリーからは、俺が稼いだお金で買うのだから問題ないと言われた。ナンシーは
「いずれここで私達は暮らすんですね!」
と目を潤ませていた。
問題ない様なので、不動産屋の担当スタッフに購入する事を伝えた。
不動産屋へ戻り、購入手続きを行う。
邸宅は引き渡し前のクリーニングを行うとの事で、引き渡しは3日後となった。お金をギルドカードからの引き落とし処理にして貰う。ギルドで支払い手続きを行った。
3日後が楽しみだ。
家の件が片付いたので、しようと思っていた話と相談に移り、まずはナンシーの休みを聞いた。明日休みだという。
明日冒険に行く約束をした。
何でも初心者向けのダンジョンが街に有るらしく、そこへ行ってナンシーのレベルを上げる事と成った。元々この街はダンジョンで発展した街なのだそうだ。初心者ダンジョンは一度攻略するとその人はもう入れないが、攻略出来る実力が有れば新人を脱却出来る強さがあると認められるらしい。
ダンジョンの話題になると、ナンシーから驚きの提案を受けた。奴隷契約と言う名の主従契約を行って欲しいと言われたのだ。
先程シェリーの強さの秘密を聞いて、自分も、と決めたんだそうだ。
拒否する理由はないし、メリットも確かに大きいが、少しでも不安を持って欲しくはなくてナンシーを抱きしめる。
「絶対に奴隷として扱わないし、奴隷紋で動きを拘束したりいやらしい命令を出したりしないと誓うよ」
ナンシーも俺がそう言うのを分かっていたかのように
「はい、信じてますから大丈夫です。嘘をついていないのは分かっていますので。それにランスになら、あの、その、ね?襲われても大丈夫ですから」
とシェリーのような発言をした。
なので奴隷紋を何処に施すか確認すると
「シェリーから胸元と聞いてるけど、同じ胸元で問題ないですよ。」
と言ってきた。
「じゃあちょっと胸元を触るけど大丈夫?」
「はい、私の胸は既にランスのモノですから好きなだけ触って下さい」
何とも意味深な事を言う。
早速ナンシーは上半身の服を脱ぎ始め、あっという間にブラまで脱いでしまった。止める暇すら無かった。
「さあお願いします」
堂々と胸を張るナンシーの見事な双丘を、俺はついついガン見し見惚れてしまった。大きいが垂れていない。張りのある整った形に奇麗な乳首をしていた。シェリーのも綺麗だったが、ナンシーのも見事だった。この大きさで反則だ。
『ああ揉みたい』
自分でも「俺大丈夫か?」と思うような考えをついついしてしまう。
「あまりジロジロ見られると恥ずかしいんですよ」
「ごめんよ突然の事で驚いて固まったんだ。それにこんなに奇麗なのを見てしまい更に固まったんだ。ブラは着けてても大丈夫だから、目の保養じゃなく、目の毒だから取りあえず着けて」
と後ろを向いた。そこにはサムズアップしているシェリーの姿が有った。どうやらシェリーの仕業のようだ。
ナンシーがブラを着けたというので、改めて向き合う。
「じゃあ触るよ。失礼します」
胸元に触れ、すぐに魔力を込め始めて奴隷契約を発動する。ナンシーは一瞬びくんとなった。
「奴隷2を取得しました。」
アナウンスが聞こえたので、シェリーでは泣いてしまいそうで頼めなかった事を試してみる。
「ナンシー、悪いけど一度奴隷契約解除をしてみて。すぐに再契約するけど、一度実験したかったんだ。」
ナンシーはすぐに実行してくれたのか、
「奴隷2契約が解除されました」
と、またアナウンスが聞こえた。これでちゃんと、奴隷側から一方的に契約解除出来ることが確認できた。
再びナンシーの胸元に魔力を籠め、再度契約を行う。何の問題もなく契約完了する。一度奴隷側から契約が解除されていても、ちゃんと奴隷契約を結ぶ事が出来る事が、無事に確認出来た。胸元の奴隷紋をナンシーが触りながら、
「ああランスの存在を感じる」
とよく分からない事を言っている。
次にナンシーに、スキル付与の事をシェリーから聞いているかと確認すると、彼女は頷いた。
「明日に備えて貴重で重要なスキルを渡したい。さすがにここじゃ無理だから、今晩宿で行いたい。
多分負担が大きく動けなくなるから、宿に泊まって欲しい。強力なスキル程、体に対する負担が大きいんだ。それと武器は持ってるんだっけ?あと、水着持ってない?有れば持ってきて欲しい」
「ええ、大した武器じゃ無いけれども一応持っているわ。水着も持ってるから準備するね。」
と言うので
「装備一式持って来てね。強化するよ」
話を終えるとギルドを後にし、ナンシーの宿舎に荷物取りに行く。装備品と明日の冒険服、冒険後の着替え一式を渡されて収納に入れた。
宿に向かう前に服屋に行き、俺とシェリーの水着を買う。売っていたのには驚いたが、これでスキル付与のハードルが低くなる。諸々を済ませた後、俺達は宿に向かった。
道中、今回の調査での問題を考え奴隷を増やす事を伝えた。2人から反対意見は特に何も出なかった。
「ついにハーレムに向けて動き出すんだね。そしたらいよいよ・・・」
シェリーとナンシーがこっそり話しているのが聞こえてしまったのは、知らない振りしておこう。一応言っておくが、戦闘用に奴隷を買うんだよ。女しか買わないけど。美人だと良いなあ。
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