エラーから始まる異世界生活

第6話 初戦闘

　森を駆ける事30分。と言っても軽いランニング程度のペースだが、只今絶賛逃走中。

　ゴブリン5匹に追いかけ回されている。

　無理無理無理。だって緑色したキモいやつなんだもん。

　一匹ならやれそうだけど5匹は多過ぎる。

　いくら戦闘力30～40位の奴らばかりとは言えナイフにこん棒?

　平和な暮らしに慣れた日本人には敷居が高いし例え身長120cm程度とは言え人型だ。

　しかしそれも終わりが来たのだ。

　道を反れてしまったのか目前に川が見えてきたのだが深さが分からないので不用意に突っ込んで行く事が出来ない。ナイフを投げられたら終わってしまうからだ。

　しかしゴブリン共も体力の差か、一列になっている。

　もう一か八かで戦うしかないと覚悟を決め、荷物を脇に放り出して短剣を構えると先頭のナイフを持ったゴブリンに目標を定めてこちらも駆け出した。

　右に持ったナイフを

「うぎゃーーーーー」

　と奇声と共に突いてきた。

　それを左手で凪ぎ払い、出来た隙に短剣をゴブリンの胸に突き立てると肉を切り裂く嫌な感触と共に確かに心臓を破壊したと確信した。

　ただし左腕で払い退けた時に相手の腕が当たった影響で左手は強く痺れてしまった。

　次の標的に目を向けると既に目前に迫っており、こん棒を振りかざしていたのだがそんな時に限り急に

「ナイフ術を奪取しました」

　とどこからか聴こえてきて驚いてしまい隙が出来てしまった為に避けきれず左の肩にこん棒の一撃がかすってしまったのだ。

　かすったと言っても中心をそらした程度の為かなりダメージを貰ってしまったのだがしかし、こちらの一撃もしっかり入っていて喉を切り裂かれ血を吹き出しながら倒れ込んでいく。

　間髪入れずに二匹同時に襲ってきた。

　ナイフを持ったほうの攻撃が先に届いたが短剣で弾きそのまま胸に突き込む。

　しかし抜く時に手が血で滑ってしまい短剣は抜けなかった。

　もう一匹がこん棒を頭上に振りかざしてきたので俺は懐に潜り込み大内刈りを決めたのだが受け身を取れず頭を強打しそのまま死んだようだ。

「ナイフ術を奪取しストックしました。」

「棍棒術奪取しました。」

「体力強化を奪取しました」

　と聞こえてきたがそういえば後一匹はどこに行った？

　短剣を抜き取ろうとして短剣を掴んだ瞬間背後から何かが飛んでくる気配が有り咄嗟に屈んだら頭があった位置を何かが飛んでいった。こえ～～

　よく見るとナイフを投げたようだ。

　落ちているナイフを拾い上げそのまま茂みに投擲する。

「グギャー」

　と言う叫びが聞こえてきたのでどうやら当たったようだ。

　間髪入れず引き抜いた短剣を握り突撃し、奴は間に合わないと思ったのか手で顔を覆って防御姿勢を取ってきたが、がら空きの胸に短剣を突き刺した。

　間もなく絶命と共に

「投擲術を奪取しました。」

　と謎の言葉が頭に響いた。又

「ラベルアップ」

　とも聞こえてきた。

　何とか5匹を撃退したものの肩に打撃を受けた影響で今は左肩が上がらないが幸い骨折はしてはいないものの暫く使い物になりそうにないようだ。

　戦闘後短剣に付いた血をゴブリンの服で拭い、ナイフを回収する。

　ナイフは投擲に使えるのだ。

　血の臭いに釣られて他の魔物が出てくるから 取り急ぎその場を離れる事にした。

　取り急ぎステータスを見てみる

　名前　ランスロツト

　年齢　１８

　ラベル　２

　生命力 80/110

　魔力 　100/110

　強さ　 110

　ギフト　

　スキル

　ナイフ術１

　棍棒術１

　投擲術１　　　

　体力強化１　　　　

　スキルストック

　ナイフ術１

　魔法

　職業 無所属

　称号

　彷徨える異世界人

　やっぱりスキル増えてるなって、スキルストックって何だ？それに棍棒術って原始人か？

　それはさて置きスキルをどうやって取得したんだろう？

「奪取しました」

　って聞こえなかったっけ？

　突っ込む所はそこじゃないのだが、生き物を殺す事に躊躇ないのと血を見ても何ともなかった事、戦う前はキモいと思い戦闘を避けていたが、いざ戦ったが何とも思わなくなっていてふと

「殺したなあ、意外と平気だったなあ」

　とため息をついて夕暮れの道を進むので有った。